本研究では、微細三次元形状加工の目標である微細部品の製作から、組み立て工程を含むアセンブリ複合プロセスについて検討、基礎実験を行うと共に、液体金属イオンビームエミッタを例に採り、これのベース部の製作を行った。また、電極消耗の問題をできるだけ解決するため、切削加工が可能なマイクロマシニングセンタを開発したので以下に示す。 1)微細部品の組み立てでは、それぞれの部品を結合、固定することができなければ不可能となる。そこで、黄銅およびステンレス鋼の板に穴加工を行い、これにピンを固定することを試みた結果以下のことがわかった。a)通常の圧入方式による結合、固定は困難であるが、超音波振動を利用することでピン、ホールの結合、固定ができる。b)基板上に結合、固定したピンを放電加工用電極として使用できる。c)WEDG、放電加工を組み合せ超音波振動を応用することで、同一機上による微細ピンの加工と組み立てを行うことに成功した。 2)液体金属イオンビームエミッタの製作では、加工工程が多いためWEDG、放電加工、組み立てを行うワークステーションを設け、加工プログラムを効率化することとし、ベース部の加工を行った。 3)マイクロマシニングセンタの開発では、WEDGにより放電加工用電極および切削工具を自動成形することで、同一機上で連続して放電加工、切削加工を可能とすることができた。これにより、切削加工では加工不可能な微細形状は、電極成形および再成形を行いながら放電加工し、切削可能な部分については、WEDGにより切削工具の成形を行い切削加工を行うことができるようになった。しかし、切削工具の欠損による工具再成形についてはまだ検討中である。
|