研究概要 |
本研究は,熱間押出しにおいてコンテナ内面やダイス表面にはたらく応力を光ファイバを用いた新しい方法で測定しようとするものである。 1.光ファイバを用いた圧力センサの性能の確認 昨年度製作した圧力センサを用いて,円柱試料のすえこみ圧縮を行い,工具面にはたらく圧力分布を測定するとともに,センサの性能評価を行った。センサ部以上の工具面にはたらく圧力の影響については,センサのごく近傍以外の圧力は出力に干渉せず,十分な性能をもつことを確認した。測定した圧力分布は従来の金型センサによる測定結果とよく一致した。本センサは潤滑条件下や工具面上の材料のすべりが激しい条件下でも測定ができることが,従来のセンサにないすぐれた特徴である。 2.センサの耐熱性の検討 開発した圧力センサが450℃の温度条件下でも使用可能であるかどうかを検討するため,電気炉中での性能評価を行った。使用した光ファイバプロ-ブではファイバを束ねてある樹脂が高温下で流出・炭化して性能低下をきたすこと,光の反射面が酸化して反射率が下がることがわかり,今後これらを改善することが必要である。 3.押出しコンテナ内面の圧力測定 開発した圧力センサを押出しコンテナに適用して,アルミニウム及び鉛の押出しにおいてコンテナ内面にはたらく圧力分布を測定した。潤滑条件下では圧力分布が均一であるのに対し,無潤滑では摩擦の累積によってダイス出口から遠ざかるほど圧力が上昇することがわかった。 4.摩擦応力センサの開発 圧力のみでなく摩擦応力も検出するセンサを設計・製作したが,光ファイバの位置合わせがうまくいかず,測定には至らなかった。今後この点を改善して測定を試みる。
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