研究概要 |
各種動力プラントなどのレイアウト設計は,工学設計の中でも高い比率を占めているが,自動化が困難で熟練者による多大な労力を必要としており,自動化のニ-ズが高い。本研究課題では,知識情報処理を応用してレイアウト設計を支援するためのシステムの確立を目標に研究を進めている。本年度において得られた成果は次のとおりである。 (1)システム構想の確立:レイアウト設計における処理を,プラントの構成機器の間で満たすべき「配置制約」と,それをもとに自動配置を行うための「配置アルゴリズム」に分離することによってシステムを構成する。前者については,前もってパタン化したいくつかの制約により設定しておき,後者については,それをもとにオブジェクト指向プログラミングを用いた制約指向による探索アルゴリズムとして具体化する。 (2)システムの具体化の研究:上記の構想を実現するために,実際の原子力発電プラントのレイアウトを対象に取り上げ,各種の配置制約を設定した。さらに,配置アルゴリズムについて,Common LISP上でオブジェクト指向にもとづく配置処理手法を開発した。 (3)ワ-クステ-ション上における知的インタフェイスの実現:上記の構想を,本年度に購入したワ-クステ-ションSunー4/65GX上において実現し,レイアウト設計が有効に実行できることを確認した。さらにタイプの異なるいくつかの原子力発電プラントに適用し,本システムによって極めて優秀な基本レイアウトが可能であることを確認した。 (4)さらに平成3年度においては,詳細レイアウトについても取り上げる予定で,知識情報処理と数理計画法とのハイブリッド化によって,レイアウトの詳細寸法を定める詳細配置図の自動化をはかると共に,さらに使い易いインタフェイスの研究などを予定している。
|