研究課題/領域番号 |
02452119
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
松尾 一泰 九州大学, 総合理工学研究科, 教授 (30037759)
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研究分担者 |
川越 茂敏 九州大学, 総合理工学研究科, 助手 (10044546)
青木 俊之 九州大学, 総合理工学研究科, 助教授 (20150922)
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キーワード | 超音速流れ / 衝撃波 / 境界層との干渉 / ポスト・ショック・エクスパンジョン / 内部流れ |
研究概要 |
1.吸込式風洞を用い、超音速ノズルのスロ-ト下流に発生させた垂直衝撃波と壁面境界層の干渉によるポスト・ショック・エクスパンジョン現象を実験的に研究した。その結果、ノズル流れにおけるポスト・ショック・エクスパンジョンはマッハ数が1.27で始まり、それが現れる領域は翼面に沿う外部流れの場合と比べてかなり異なることが明らかになった。内部流れにおけるポスト・ショック・エクスパンジョンの原因は衝撃波との干渉による境界層のはく離、及びそれに伴う流線に曲りと思われる。 2.ノズル流れにおけるポスト・ショック・エクスパンジョンの強さは、衝撃波直前の流れのマッハ数の増大とともに増加する。またその強さは、壁面に近い領域より流路の中心部の方が強い。ノズル流れにおける中心線上のポスト・ショック・エクスパンジョンの程度がある限界値を越えると、新たな衝撃波が形成される。これが垂直衝撃波から擬似衝撃波への遷移を示すと考えられる。この遷移基準は気流マッハ数と境界層レイノルズ数で表わすことができると思われるが、そのために更なる実験資料の蓄積が必要である。 3.平板上の弱い垂直衝撃波と乱流境界層の干渉について、流れを断熱で二次元と仮定して解析した。その結果、垂直衝撃波の強さと乱流境界層の厚さがある程度大きい場合には、垂直衝撃波下流の圧力分布にポスト・ショック・エクスパンジョンが現れることが明らかになった。なおこの場合、ポスト・ショック・エクスパンジョンは壁面圧力分布には現れず、境界層の外縁により外測の流れに対して現れる。この傾向は上述の実験結果と定性的に一致する。なお本解析では、遷音速流れにおける垂直衝撃波による圧力上昇について、これまでの研究により得られた実験式を用いたが、これは今後の課題である。
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