当該年度は、次の研究成果を得た。 1.都市温暖化(ヒ-トアイランド)の3次元シミュレ-ションプログラムを開発した。従来は3次元計算が行われた例は極めて少なく、また、都市中心部の浮力流れの考慮に問題があったので今回は、この点を改良した。 2.都市大気汚染の3次元シミュレ-ションプログラムを開発した。現在、大都市(東京など)では、車から排出されるNO_XやCOなどの汚染物質による大気汚染が再度クロ-ズアップされており、非化石燃料車(電気自動車 etc.)の導入による大気汚染の抵減効果や未来都市の設計などに役立てることが可能となった。 3.車3台を用いて大気温度の移動観測を行った。実在都市の例として仙台市を取り上げ、大気温度の移動観測により都市内外の気温差(ヒ-トアイランド強さ)を明らかにした。 4.都市大気の鉛直方向分布測定を行った。都市大気境界層のモデリングのためには、鉛直方向の構造が重要であり、今回はまず温度の測定を行った。 5.大都市東京の都市大気汚染軽減のためには、交通システムそのものの改善・変革が重要との考えから、諸外国の交通システムおよび社会システムの調査を行った。その結果、ドイツやスウェ-デンのトラフィックゾ-ンシステムなど、興味ある対策があることが判明した。これらについても、その導入効果などを検討した。
|