研究概要 |
本年度は,長期にわたってサービス部品の生産を継続する場合を想定して,必要なときに,随時,サービス部品を生産,供給する逐次生産方式のサービス部品生産・在庫計画法について論じ,以下の結果を得た. 1.まず、需要予測誤差を量的かつ時間的にとらえて生産・在庫計画の再計画を行う方法を明らかにし,そして提案した逐次生産方式のサービス部品生産・在庫計画法と従来の方法を実際のデータに適用して比較し,提案した方法の有効性を示した. 次に,サービス部品の生産を早期に終了する場合を想定し,その後必要となると予測されるすべてのサービス部品を生産して保持する一括生産方式のサービス部品生産・在庫計画法について論じ,以下の結果を得た. 2.製品市場残存特性及び部品故障特性の同定誤差をあらかじめ考慮することによって,最終生産時のサービス部品生産量を適切に決定する方法を展開した.製品市場残存特性及び部品故障特性の同定誤差が大きく,品切れによる損失が大きい場合に,提案した一括生産方式のサービス部品生産・在庫計画法が有効であることを明らかにした.また,部品寿命が指数分布に従う場合に総サービス部品需要量が簡単な式で表せることを利用し,製品市場残存特性及び部品故障特性の同定誤差が生産・在庫計画に与える影響を明らかにした.また,必要なサービス部品の量を簡単に求めることができるマトリクスを作成した. 3.提案した一括生産方式のサービス部品生産・在庫計画法をもとに,各種の入力データからサービス部品の最適な最終生産時期を求めることができるシミュレーションモデルを開発した.そして,そのシミュレーションモデルを用いた数値実験の結果,品切れによる損失が大きい場合には,サービス部品の最終生産時期を適切に決定することが特に重要であることを明らかにした.
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