研究課題/領域番号 |
02452134
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研究機関 | 豊田工業大学 |
研究代表者 |
毛利 尚武 豊田工業大学, 工学部, 教授 (90126186)
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研究分担者 |
東 正毅 豊田工業大学, 工学部, 助教授 (70189752)
齋藤 長男 豊田工業大学, 工学部, 教授 (60148343)
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キーワード | 組立嵌合 / 超音波振動 / 縦加振 / 横加振 / ロボット / 表面力 / 摩擦係数 |
研究概要 |
本研究は超音波振動を当該嵌合物へ付与することにより、嵌合物同士に一種の超音波モ-タのような表面力が発生することを利用して、精密嵌合の自動化を実現しようとするものである。平成3年度は平成2年度に得られた成果をもとに、ロボットによる計算機制御組立嵌合システムを開発し、以下の成果を得た。 (1)ロボットのエンドイフェクタとしての交換可能な汎用組立ハンドを試作した。特に縦振動加振および曲げ振動加振の組み合わせによる嵌合を実現するための機構を開発した。 (2)従来の広帯域発振電源の改良に加えて、デジタル型の発振電源を新たに開発した。負荷インピ-ダンスを電流電圧の位相差から判断して自動的に加振周波数を変化させる方式を実現した。 (3)振動物体の表面力に基づく嵌合メカニズムの理論的解明、および部品嵌合過程の評価を行った。特に曲げ振動加振と縦振動加振の場合の表面力発生メカニズムの相違点を明らかにして、部品の組立嵌合における有効な適用範囲を示した。 (4)嵌合部品に加わる力やそのモ-メントを自動的に計測する多自由度力センサとコンピュ-タ計測システムとを製作した。計測の信頼性を得るために一般化逆行列の手法を適用して成果を得た。 (5)計算機による統合嵌合実験を実施して、超音波の加振効果を確認した。挿入の初期において曲げ振動加振を実施し、挿入がある程度進行した段階において縦振動加振に切り換えることにより、よりスム-ズな嵌合が実現する。特に初期の位置ずれが数百μm程度の大きな場合であっても、曲げ振動加振ならば、+μmのクリアランスの嵌合が容易に実現し、本方式の有効性が如実に示された。
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