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1991 年度 実績報告書

非弾性電子トンネル分光法(IETS)による単分子層ー金属界面の研究

研究課題

研究課題/領域番号 02452141
研究機関北海道大学

研究代表者

武笠 幸一  北海道大学, 工学部, 教授 (00001280)

研究分担者 荒磯 恒久  北海道大学, 応用電気研究所, 助教授 (30151145)
キーワードLB膜 / IETS / Sn,Pb電極 / トンネル接合 / 酸化物フォノン / アラキジン酸 / 分子振動 / 電荷の充放電
研究概要

この研究の目的はLB膜の金属上における配向・吸着状態に関する知見を得ることであり、このために以下の研究を行なった。
金属上におけるLB単分子膜の吸着・配向状態に関する情報をこれらの振動モ-ドを通して得るために非弾性電子トンネル分光測定システムの構築を行なった。その後、LB膜を累積する金属の表面状態を把握するためにSn/SnO_2/Pb,Pb/PbO/Pbトンネル接合を作成し,金属/金属酸化物界面に導入された有機物の分子振動スペクトルの観測を行なった。その結果、Pbを下部電極としたトンネル接合では、Pb酸化物表面にエタノ-ルをド-ピングしてもこれらの振動モ-ドは観測されなかった。この原因に関しては明かではないが、本研究ではLB膜の分子振動モ-ドの観測を行なうことが目的であるから、Pbを下部電極に用いることは不可能であることが分かった。一方、Sn/SnO_2/Pbトンネル接合の場合、界面に導入された有機分子の振動スペクトルが観測されたのでSn電極はLB膜累積用基板として用いることが可能であることが分かった。これらの結果をふまえてSn/SnO_2/AR_2Co/Pbトンネル接合を作成しトンネルスペクトルの測定を行なった。Pbのエネルギ-ギャップが観測されたことからこのトンネル接合ではトンネル伝導が主要な伝導機構であることが分かった。一方、高バイアス領域のスペクトルでは同一試料において1回目の測定と2回目の測定で異なる形状のスペクトルが得られた。これはLB膜分子が配向することによりこれらの双極子が増強されたことによる分子中に蓄えられた電荷の充放電が関係していると考えられるが詳細に関しては今後の検討課題である。また、さらには長鎖脂肪酸LB膜の作成時の最適条件を見出すことと平行して高分子を利用した面内配向の強化を図ることによる成膜制御を行い、より膜質の良好なトンネル障壁としてのLB膜を実現したい。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] E.Hatta,Takahiro Gohda,Koichi Mukasa: "Inelastic Electron Tunneling Spectroscopy of Sn/Sn oxide/Pb and Pb/PbO/Pb Tunnel Junctions" Thin Solid Films or Japanese Journal of applied Physics.

  • [文献書誌] 八田 英嗣,合田 貴博,武笠 幸一,石井 淑夫: "IETS法による酸化物フォノンの観察" 応用物理学関係連合講演会、1991,3,平塚.

  • [文献書誌] 合田 貴博,八田 英嗣,武笠 幸一,石井 淑夫: "下部電極としてPbを用いたトンネル接合のIETS" 1991年秋季第52回応用物理学会講演会、1991、10、岡山.

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公開日: 1993-03-16   更新日: 2016-04-21  

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