研究概要 |
本研究では、機械命令レベル並列処理の一形態であるス-パ-スカラ方式の基本制御方式,ハ-ドウエア/ソフトウエアによる高速化手法およびシミュレ-ションによる性能予測について研究を行ってきた。主な研究成果を以下に示す。 1.ス-パ-スカラ方式の基本制御方式の研究: 以下の点に留意して、プロセッサの基本制御方式を決定し,論理設計を進めている。(1)4多重の命令パイプラインにおける命令発行・実行をインオ-ダ発行,アウトオブオ-ダ実行とすることで、大幅なハ-ドウエア量の削減を図れる方式を採用した。(2)分岐命令の高速処理を行うために早期分岐解消方式を採るとともに,分岐先バッファ方式と静的分岐予測とを併用した分岐予測機構を採用した。(3)機械命令レベル並列処理プロセッサ向きの,新しい割込みア-キテクチャを考案し採用した。また,これらの方式上の工夫とコンパイラ支援によって高速処理が達成できることをシミュレ-ションによって確認した。 2.ス-パスカラ方式の最適化コンパイラの研究: ス-パスカラ方式では,コンパイラによる最適化が大きな役割を果たす。ソフトウエアパイプライニング方式,ル-プアンロ-リング方法,およびそれらを組合せた方式による高速化について検討し,DOーALL型ル-プで最大5倍の性能向上が得られるなど,これの方式の有効性を確認した。
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