研究概要 |
本年度は,光による電力供給のための光源ならびに光電変換素子の選択・構造に関する研究を行った。 1.光によるエネルギ-供給のための光源として1W高出力半導体レ-ザ(波長813nm)を用いた。光ファイバ(グレ-デッド・インデックスファイバE167,日立電機,コア径230μm,開口数0.3,長さ2m)によりレ-ザ光を光電変換素子部に導光した。光ファイバ先端での光出力は最大800mwであった。光ファイバと半導体レ-ザとの接続は,市販のFCコネクタを使用した。 2.光電変換素子として,シリコン単結晶の太陽電池(S4V United Detector Technology,大きさ4×2mm)を8個直列に接続し,アクリルパイプ内に光ファイバ先端をとりまくように配置した。最大供給電力は38mWであった。しかし,光出力を最大にすると熱の影響が大きく,太陽電池の効率が時間とともに減少するため,熱の影響を受けず安定した供給電力が得られる光出力を選択した結果,解放電圧4.3V,ショ-ト電流6.7mAが得られた。この値は,われわれが当初予測した値より少ないが簡単な回路を動作させるのには十分であると思われる。 3.今後の課題 (1)太陽電池の配列構造を再検討する。すなわち今回使用した光ファイバの開口数は0.3と小さいので光が広く拡散しないため,8個すべての太陽電池表面を均一に照射することができず,小電流しか得られなかった。すべての太陽電池を均一に照射できる構造に改めたい。 (2)(1)と平行して現状の供給電力を用いて信号処理部の設計を行いたい。 (3)光電変換素子部の形状に最適な光ファイバコネクタを設計する。
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