研究概要 |
当該年度の研究は複合型をネットワ-クの認識問題への応用,及び学習制御を含む一般的な系における安題の研究が主題となった。その内容はおおよそ次の通りである。1)共役勾配法をはじめとする高速アルゴムの適用の有効性,2)複合ネットワ-クに対する学習則の確立と種々の問題に対する適用による検討,3)制御系に於ける学習安定条件を含む安定問題の解析。 このうちまず1)については,前年度に引続きネットワ-クの学習をパラメ-タ空間にやける非線形最適化と定式化し直すことにより,高速アルゴリズムの適用を可能にし,その有効性を比較検討した。その結果,的に2次問題について最も有効と言われている共役勾配法がこの様な非2次問題についても準ニュ-トンに比べて優る結果をとなったのは興味あることと言える。 次に複合型ネットワ-クの有効性の検討であるが,主として文字認識問題に例を取り次のようなテ-マにて検討した:i)構成済みの2個の3層型ネットワ-クによる複合型ネットワ-クと単純型5層型ネットワ-性能比較:ii)構成済みネットワ-クを用いての有効な複合方法の検討,iii)学習済みネットワ-クからのル-ル抽出法。まず5層型ネットワ-クとの性能比較に於ては学習効率,収束率,認識率等においてすべ習済み3層型ネットワ-クを結合したものが優位にあり,5層型ネットワ-クはほとんど利点を持たないこ明らかとなった。これは5層型にすることが単にパラメ-タ空間の自由度を増すだけの結果となり,局所最に落ち込む率を増大させるためと考えられる。しかし一方では3層型を組み合わせた複合ネットワ-クにてもその構成素子は既学習デ-タ通りの入出力関係を用いているとは限らず,複合ネットワ-の利点がしも発揮されない場合があることが明らかになった。このため中間層に教師信号を与える学習法や学習デ点を補間する汎化学習法を与え,一定の成果を得た。また学習済みネットワ-クからのル-ル抽出では興る結果を得たが,このれについては次年度の課題としたい。 最後に学習制御等に於て重要なむだ時間系を含む分布系の安定条件がその学習収束条件との関連に於て重あるが,これについてi)1般的な周波数領域での安定条件,ii)プラント変動が存在するときの学習制御系バスト安定条件,を得ている。
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