研究概要 |
一般研究B「都市域での流出制御のための集水管付き雨水浸透基盤の効果と最適設計に関する研究」は平成2年度より着手し、本年度で終了した。初年度(1990)は集水管付き浸透基盤の模型「ライシメーター」を作成し人口降雨を降らせる実験せ行い、その成果を取りまとめると共にその流出機構のモデル化を行った。第2年度(1991)はそれを利用して散水実験を行い、観測時間を10秒間隔にすることにより、従来観測精度から類推するしかなかった「ミクロな挙動」の把握に努めた。最終年度(1992)においてはそれらの実験およびシュミレーションでえられた結果について整理し、取りまとめを行った。その結果は第6回の国際雨水排除会議(6tn International Conference on Urban Storm Drainaga)に発表する(会議は平成5年9月カナダで行われる)ことになったのを始め、下水道協会誌、土木学会・水文水資源学会誌等に発表した。 本研究により、ライシメーターから実浸透基盤(横6m,長と25mに至るまでの規模での降雨時における湿潤状態のヒステリシスを明らかにすることが出来、実用面に与える影響はきわめて大きなものがある。とくに、リチャードの基本式とモアレムのモデルの有効性の確認とその定量化に必要なパラメーターの同定の手法が確立したことが本研究の大きな成果の一つである。 本年度において研究は終了するが、本研究の成果をより一層充実させるために、実際基盤での観測をふやし、各基盤の評価を行っていくことが必要である。
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