研究概要 |
(1)流路工の水理学的特性とその防災機能の評価手法 急勾配流路工内の流れを対象に,跳水や衝撃波を伴う流れの水面形計算法を保存則差分法を利用して開発した。1次元流れでは,連続する床固め工を有する流路工内の水面形計算法,急勾配水路が水平な水路床に変化する場合の跳水を伴う流れの水面形計算が可能となった。また,この計算法を2次元流れに拡張し,射流合流部で生じる跳水を伴う水面形の計算手法を提案した。 (2)射流合流部の水理学的特性と防災機能の評価 既設の直角合流水路(本流幅30cm,支流幅20cm,長さ10m)を使用し,合流部において生じる大規模な乱流運動の解析を数値シミュレ-ションと可視化された表面流の画像処理によって行った。また,合流部における流れが射流となるような流れを対象に実験を行い,合流部における跳水あるいは衝撃波の発生状況,流量比やフル-ド数に対する合流部死水域の水理学的な特性,および流れの内部構造に関して実験的な検討を行った。 (3)流路工湾曲部の土砂水理学的特性とその防災機能の評価 長さ10m,幅40cm,高さ30cmのアクリル製流路工模型の実験水路を使用し,屈曲部,湾曲部を含む二面張り流路工(水路床は移動床)内に,既設の非定常流発生装置によって洪水を発生させたときの水位変動,流速分布,河床変動を計測した。特に,流路工内に床固め工を設置した場合の局所洗掘特性を実験的に調べた。その結果から直線流路の場合の床固め工下流の最大洗掘深を与える式を提案した。また,その跳水を伴う流れの水面形と河床変動を同時に計算する1次元河床変動計算手法を保存則差分法を利用して開発した。
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