1.海底地盤の溶状化 先ず、透明アクリル板を用いて、直径30cm、幅10cmの円筒形土砂水槽を作成し、その内部に細砂と水を注入して水底をもつ砂地盤を形成させたあと、小型モ-タ-によって、それを各種の速度で回転させ、(1)回転速度を0から徐々にあげて、水底地盤の静止摩擦角、回転を止めたときの水中安息角を測定した。(2)回転速度を大きくしたときの動的安定形状をビデオに収録して解析した。(3)静止した状態で上部に水圧変動を与え、流動化がおこるかどうかを調べた。細砂として中央粒径0.194mm(砂A)と、0.132mm(砂B)の2種類のものを使用した。その結果、静止摩擦角は、砂Aで40.1°〜60.6°、砂Bのとき39.4°〜60.1°であって、回転数により変化すること、水中摩擦角は27.0°〜32.5°で久宝の実験の上限値に近いことがわかった。回転する水底地盤の砂面形状においては、回転数によって三つに分類されること、また水圧変動を与えると、容易に液状化が発生し水底から砂が舞い上がることが見出された。次に流動化が起こるときに、内部間隙水圧の鉛直分布がどうなるかを調べるため、高さ70cm、幅40cm、奥行15cmのアクリル製土砂実験水槽を作成し、プランジャ-式の水圧変動機によって、水槽上部に水圧の周期変動を与えるとともに、圧力トランスデュ-サ-4台によって、間隙水圧の鉛直分布を測定した。また水槽を補強することによって、その剛性を変えた場合、流動化とどのような関係があるかを調べ解析中である。 2.河川地盤の液状化 流動化した土砂の水中での流動・堆積過程に対する粒径の影響を検討した結果、(1)中央粒径が0.3mm程度の比較的粗いときは、ほぼ乱した水中安想角の勾配を保って堆積すること、(2)粒径がさらに微細になると、水中安想角を保つ堆積過程ではなく、密度流的な流動を示すこと、がわかった。
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