本研究は、デスクトップコンピュ-タを用いた画像処理技術により、メモリ上に取り込んだ画像デ-タの合成・着色・拡大縮小および回転などを行い、フォトモンタ-ジュを簡便かつ迅速に行なうシステムの開発を目指すものである。これにより、都市・交通計画あるいは土木施設計画において重要性が高まっている将来景観の事前予測を容易にするとともに、住民参加の一手法として、一般市民に対して計画内容を周知するために用いることが可能になる。本研究は2ケ年に渡るものであり、本年度はその第1年度目として、以下の研究成果を得た。 <1.システムの開発>___ー:次の2点の研究開発を重点的に進めた。 (1)画像デ-タベ-スを用いた代替案画像の選定システム:現状の景観場面に合成する計画代替案の画像デ-タを大容量の光ディスクに多数登録しておき、TVモニタ上での合成要素の選択から景観場面内での合成位置の決定までを対話形式で容易に行えるシステムを開発した。 (2)3次元画像合成処理による動的景観設計支援システム:3次元のデ-タ構造を持つCG出力画像を現状の景観場面に合成し、それを連続的な動画とすることで、構造物などが景観に与える影響をダイナミックに捉えることのできるシステムを開発した。 <2.システムの適用性の検討>___ー:住宅地内の道路の改造計画を立案中の住民に対して、システムの有効性を検証するためのアンケ-ト調査を行った。その結果、(1)平面図のみを用いた場合より、本システムを併用した方が代替案選好の程度が明瞭になること、(2)図面や文章などによる説明よりも、本システムを併用する方が代替案に対する住民の理解を得やすいこと、などがわかった。
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