研究概要 |
本研究は,パ-ソナルコンピュ-タを用いた画像処理技術を利用して、都市・交通計画や大規模土木施設計画のための計画代替案選定支援システムを開発し、その適用性を検討したものである。 システムは、パ-ソナルコンピュ-タ、TVモニタ、フレ-ムバッファを中心に画像合成を行なう。その他、入力装置としてイメ-ジスキャナ、出力装置としてフルカラ-プリンタ及びVTRを用いる。また、光ディスクを用いて、大量の記憶容量を必要とする画像デ-タを保存する。システムのプログラムは、C言語(一部BASIC)により独自に開発した。 システムの開発については、特に、画像自体を洗練させること、及び計画代替案の選定を効率的に行えるようにすること、の2点を重視した。まず画像の洗練に関しては、背景画像に合成するパ-ツ画像の縮小及び回転を可能とし、また、合成時に発生する雑音(画像と画像の間に発生する色彩や形状の乱れ)を除去できるようにした。また色の変更(色相、彩度、明度各々の変更)を可能とし、背景画像パ-ツ画像を違和感なく合成できるようにした。さらに、テクスチャ-マッピングの技術を用いて、平面のパ-ツ画像を背景画像の中に立体的に表現することが可能となった。次に、効率的な計画代替案選定の支援に関しては、光ディスクに蓄積した樹木や舗装材などのパ-ツ画像デ-タを随時選択し、呼び出すことができる画像デ-タベ-スシステムを構築した。 システムの適用に関しては、日野市における住区内道路改良計画及び熊谷市における商店街改装計画におけるケ-ススタディを行った。特に前者では、一連の意識調査を行った結果、本システムを適用することによって、計画代替案に対する住民の理解が促進されることが立証された。
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