研究概要 |
本研究は都市域の基盤〜地盤の3次元構造を震動計測的立場から簡便かつ詳細に把握し、大都市における地震動入力分布を詳細に評価する手法を開発することを目的に、札幌都市圏をモデルケ-スに2年計画で研究を進めており、本年度は2年目の最終年度にあたる。 初年度は微動観測装置の抜本的改良をハ-ド・ソフト両面から行い、従来実施困難であった市街地での観測を含め都市圏の立地する石狩平野において4測線において観測を実施し全域の震動特性の概略をつかんだ。本年7月には前年の観測の空白部を埋めるべく、海岸に平行な3測線とそれらに直行する2測線を追加し観測を行った。測点は合計183点となり対象地域をかなり高い密度でカバ-することができた。 観測記録の解析は固定点(北海道大学工学部)に対する各観測点のスペクトル比を計算し、空間分布を4つの周期帯域(0.5,1,2,4sec)別にゾ-ニングマップの形で示した。これらを、既往の地盤構造(深層については数本の石油の試掘の資料、表層については建設に伴うボ-リング資料)、1968年十勝沖地震の際の強震記録、1982年浦河沖地震の際の高密度震度調査資料と比較し整合性を確かめた。最終年度であるので報告書の取り纒めを行なった。
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