研究概要 |
60キロ級の高強度の鉄骨と600キロ級の高強度のコンクリ-トを組合せたSRC柱の曲げ破壊に対する弾塑性等勤を解明するために、作用軸力比(N/Bu,N:作用圧縮力,Nu:中心圧縮耐力)、帯筋比(Pu)および帯筋形状を実験変致といて8体の試験体を計画した。作用軸力比は0.3と0.6の2種類,帯筋比は0.4%と0.8%の2種類,帯筋形状は通常の外周閉鎖形と特殊なSRC柱用に開発した中子筋併用の閉鎖形の2種類である。柱断面は25^<cm>×25^<cm>,柱長さは90^<cm>で、片持ち柱形式で、くり返しの水平力を柱項部に載荷した。使用した鉄骨は降伏比0.8で降伏応力度60^<kgf/mm^2>のもので、コンクリ-トの設計強度は600^<kgf/cm^2>である。この実験研究に併行じて、一酸化累加強度理論による経局曲げ耐力の評価の妥当性,塑性変形能力の定量化,作用軸力の制限値の定量化などの検討を目的として理論解析を実施した。実験および理論研究によって得られた主な知見は次の通りである。 1)、高強度の鉄骨とコンクリ-トの組合せたSRC柱の終局曲げ耐力は一酸化累加強度理論によって評価できるが、コンクリ-トの低減係数は、SRC規準式の値よりも小さくなる傾向にある。 2)高強度の鋼材を用いたSRC柱の曲げ性能を向上させるために高強度のコンクリ-トを用いる事は有効であるが,そのためには,コンクリ-ト部分の曲げも人性を確保できる程度の帯筋量を用いる事が必要である。 3)SRC柱の曲げじん性を確保するためには、通常の外周鎖形の帯筋形状よりも、中子筋形式を併用した閉鎖形の形状の方が有効である。
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