研究課題/領域番号 |
02452220
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
中村 泰人 京都大学, 工学部, 教授 (60025963)
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研究分担者 |
平岡 久司 京都大学, 工学部, 助手 (80115922)
吉田 篤正 岡山大学, 工学部, 助教授 (60174918)
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キーワード | 市街地の温度形成 / 人工排熱 / 都市化 / 人間活動 / 都市キャニオン / 熱輸送 / 植栽内の乱流モデル / 植栽の放射伝達モデル |
研究概要 |
本年度は最終年度であるため、これまでの研究で不足していた部分の強化と、これまでの研究の総括を行った。 不足していた部分の強化については都市の温度上昇に及ぼす都市が存在することによる効果を都市効果と定義して、実地観測と観測値の統計処理の両面から考察を行った。実地観測は、京都市内の建ぺい率が高く交通量の多い商業地域内の幹線道路交差点近くの地上と、建物高さが20mまでの交通量も多くない第2種住居専用地域で、気温および湿度の観測を同時に行うという観測を、交通量と建物空調の排熱の多い平日と、それが少ない休日に分けて行った。その結果から、商業地域では第2種住居専用地域より都市温度上昇に及ぼす都市効果が大きく、平日が休日よりも都市効果が多いこと、自動車通行からの排熱を含む、人間活動に伴う排熱によって都市効果が上昇していることが推定された。観測値の統計処理では、日本全国の異なった気候区に属する16の主要都市を選んで、周辺の都市化されていない観測所を選んで、最近40年間の気象観測値を基にして都市効果を算出した。その結果、8月ではほとんどの都市で都市効果が認められ、2月では雪の多い都市を除いて、同様に都市効果が認められた。昨年度までの東京、大阪についての都市気温上昇に関する重回帰分析において、人口排熱量として石油を加えて分析を進めた。結果に大差は生じなかった。 都市キャニオンの伝熱特性に関しは、都市キャニオンを構成する表面の熱伝達と都市キャニオンの反射特性について調べた。結果は熱伝達率とキャニオン上空の風速とは線形関係にあること、都市キャニオンの反射特性は太陽の高度と方位によって変化することが明かとなった。 植栽を通じての伝熱特性に関しては、解析に必要な乱流モデルと放射伝達モデルについて考察した。結果は実験値とよい一致を示し、モデルの信頼性を検証した。
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