研究課題/領域番号 |
02452220
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
建築設備・環境工学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
中村 泰人 京都大学, 工学部, 教授 (60025963)
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研究分担者 |
平岡 久司 京都大学, 工学部, 助手 (80115922)
吉田 篤正 岡山大学, 工学部, 助教授 (60174918)
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研究期間 (年度) |
1990 – 1992
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キーワード | 市街地 / 温度形成 / 重回帰分析 / 人工排熱 / 熱輸送 / ふく射輸送 / 植物乱流 / 植物放射 |
研究概要 |
市街地の温度が形成される要因は種々のものがあるが、本研究では、まず、市街地の気温に着目し、気象データを基にして、その地域の気温の予測法が得られるかどうかを検討した。次に、市街地の温度形成に支配的な要素と考えられる植栽などの植物層を介しての顕熱および潜熱伝達特性を調べた。さらに、市街地の温度形成に直接関係する建物外表面での熱伝達性状を調べた。市街地の気温の予測に関しては、気象データと人工排熱量を基にした統計的手法による予測を行った。別に、全体研究のまとめを兼ねて、都市(市街地)が存在することによる都市(市街地)の温度上昇を都市効果と見て、都市効果の実地観測と気象観測値に基づく分析も行った。建物外表面の熱伝達性状では、屋上面・壁面・地上面からの熱伝達特性を、測定を通じて把握した。また、都市キャニオンの内部における熱輸送の問題を、実地測定と数値解析の両面から研究を進めた。ほかに、日射にからんだ問題として市街地表面の反射特性を実験によって調べた。市街地の植物層の熱特性に関しては、数値解析を中心にして研究した。植栽の伝熱特性を明らかにするには、植栽を通じての熱・水分収支をモデル化する必要がある。この研究では、そのサブモデルである、植栽の乱流モデルと放射伝達モデルについて考察を進めた。以上の研究を通して、気象観測値の統計処理と実地の気象観測からは、日本の主要都市において市街地の温度上昇分をある程度、人工排熱量との関係のもとに、予測ないしは推測できるようになった。市街地の温度上昇に直接関係する市街地表面あるいは近傍の伝熱特性については、それを把握することができた。市街地の温度上昇の抑制に効くはずの植物層の取り扱いに関しては、数値解析のための有効なモデルを提示することができた。まとめとして、市街地の温度上昇分に寄与する都市効果についての理解を深めることができた。
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