研究分担者 |
徳山 久雄 国立公衆衛生院, 建築衛生学部, 主任研究官 (80077205)
池田 耕一 国立公衆衛生院, 建築衛生学部, 室長 (90100057)
松本 恭治 国立公衆衛生院, 建築衛生学部, 室長 (30017967)
吉田 拓正 国立公衆衛生院, 建築衛生学部, 室長 (70077204)
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研究概要 |
3年計画の第2年度に当る平成3年度は下記の研究を実施した。 1.アレルギ-疾患に関連する室内環境要素解明のための情報の収集 前年度にひきつづき内外における室内アレルゲンと環境要素に関する情報を収集,整理を行った。広義の環境要素と花粉症等を含む広範囲のアレルギ-疾患との関連まで範囲を広げれば、近年内外の研究報告は多く見られるようになったものの、建築物内部に関わる環境要素と関連疾患とに限定すると、今後の研究にまたねばならない部分が多いといえる。 2.室内生ダニおよびダニアレルゲンの実態調査 前年度にひきつづき住居内の生ダニの消長,ダニアレルゲンの変動に関する実態調査を継続した。木造戸建住居とRC造集合住居との差は、近年増々気密化が進み、暖冷房の普及とともに室内環境要素の類似化によって、失われつつある。畳敷とカ-ペット敷との差も、生活行動(換気行動、掃除の種類と頻度)、在室率の如何によっては従来からの『カ-ペット敷室のダニおよびダニタンパク〉畳敷室のそれら』の関係が常に成立するものでないことも判明した。さらに室内環境の四季を通じての均一化傾向は、年間を通じての生ダニ数、ダニタンパク量の一定化に直ちに結びつくわけではなく、生物としての生態は、夏期に増加し、秋・冬期に減少するという原則 は維持されること、唯冬期の生息数に若干の増加傾向が観察されることが次第に判明して来ている。 3.アレルゲンの挙動および環境条件に関する実験 床仕上材,布団,衣服等,衣・住関連用品より発生するダニアレルゲンを室内環境条件との関連で調査する実験を開始した。ダニアレルゲン粒子は1けたから2けたμmにわたる広範な粒径を有するため、昨年度本研究補助金で購入した多段型QCMカマケ-ドインパクタが有効に働いている。現在デ-タを積上げている段階である。
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