(1)痴呆性老人ケア提供拠点の建築計画に関する指針の設定 青森県立つくしが丘病院の痴呆性老人病棟のおいて、重度痴呆性老人の個人及び悪団としての大空間における行動特性について、夜間を含めた14日間に及ぶ典型記述方式による調査を実施した。 さらに同一調査対象病院において、大空間内に閉鎖性小空間を高さの異なる2種類の間仕切りによって形成し、小空間の利用状況について14日間の調査を実施した。 それらによると、老年痴呆症、脳血管性痴呆症による利用状況の差、性別による利用状況の差があることが明らかとなり、小空間設定が有意であることが判明した。 (2)タ-ミナルケア施設の建築計画に関する指針の設定 平成2年当初から現在までの救世軍清瀬病院への入院患者225人につていの、がんの種別、告知の有無、性、年齢、入院経路、再入院の有無在院期間、居住地、付添い人の有無、付添い人の付添い頻度、退院事由等に関する調査を実施した。それによるとたとえば告知有りが約半数であること、入院患者の住所は多くは東京都内からであるが、最近では隣接県からの利用も若干づつ増加していること、在院期間が短期化していること、退院前の家族の付添い時間は24時間とおしであるケ-スが少なくないとこなどがわかり、建築計画上の指針の設定上重要な事項が明らかとなっている。このほか、国立療療所松戸病院の利用実態についても調査資料等を入手して明らかとした。
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