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1991 年度 実績報告書

花崗岩中の流体乞有物と熱破壊に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 02452224
研究機関東北大学

研究代表者

鈴木 舜一  東北大学, 工学部, 教授 (80005214)

研究分担者 奥村 清彦  東北大学, 工学部, 技官 (40177184)
小島 隆  東北大学, 工学部, 助手 (20192057)
松木 浩二  東北大学, 工学部, 助教授 (10108475)
キーワード流体乞有物 / デクレピテ-ション / アコ-スティック・エミッション / マイクロクラッキング / 花崗葉
研究概要

日本の代表的花崗岩の1つであり,岩石力学の研究対象として広く用いられている稲田花崗岩について,流体乞有物の熱破壊に関する研究を行った結果,次のことが明らかとなった。
1.稲田花崗岩中の流体乞有物は,室温では液相を主とする気液2相からなり,その均質化温度は,石英では85〜260℃,長石では150〜230℃である。流体乞有物のデクンピテ-ション温度は,石英では170〜550C,長石では230〜450℃である。
2.流体乞有物の加熱により生じたマイクロクラックの長さは,一般に100μm以下であるが,まれに200μmに達するものもある。マイクロクラックの方向は,石英ではC軸に平行又は垂直のものが多く,長石ではへき開に沿って伸びるものが多い。
3.稲田花崗岩から単直分離した鉱物を用いてAE測定を行った結果広い温度範囲でAEの発生が認められるが,そのピ-ク温度は,石英では380℃,長石では360℃付近にあることが明らかになった。これと花崗岩の円盤状試料のAEプロフィ-ルを比較した結果,石英のαーβ転移温度以下では,流体乞有物のデクレピテ-ションによるものが花崗岩のAEプロフィ-ルに大きな役割を占めていることが明らかになった。
4.稲田花崗岩は,加熱後冷却すると熱ひずみが残留する。残留熱ひずみ量は,加熱ピ-ク温度が高くなるにつれ,指数関数的に増加する,さらに,石英のαーβ相転移温度付近で急増する。これらの残留熱ひずみは,加熱によるマイクロクラックの発生とその開口によるものである。
5.熱ひずみ試験後の試料を顕微鏡観察の結果,400℃以上の熱処理試料では,流体乞有物から生じたクラック数は,新たに発生した花崗岩全体のクラック数の約60%を占めている。なお,流体乞有物から生じたクラックは,比較的短く,残留熱ひずみに対する影響が比較的小さい。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 鈴木 舜一: "稲田花崗岩中の流体乞有物とその熱破壊" 地下き裂キヤラクタリゼ-ションワ-クショップ論文集. 40-44 (1990)

  • [文献書誌] 林 爲人: "稲田花崗岩中の流体乞有物の熱破壊によるAE発生" 第8回アコ-スティック・エミッション綜合コンファレンス論文集. 153-158 (1991)

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公開日: 1993-03-16   更新日: 2016-04-21  

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