研究分担者 |
遠藤 將一 大阪大学, 極限物質研究センター, 教授 (10001843)
葉 金花 科学技術庁, 金属材料技術研究所, 特別研究員 (90230630)
中田 芳幸 大阪大学, 産業科学研究所, 助手 (40164214)
掛下 知行 大阪大学, 産業科学研究所, 助手 (90127209)
唯木 次男 大阪大学, 産業科学研究所, 助教授 (90029885)
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研究概要 |
短時間、長時間の時効を施したTiー51at%Ni非インバ-合金ならびにFeー29.9at%Ni,オ-スエイジしたFeー31.9Niー9.8Coー4.1Ti(at%)および異なる規則度を有するFeー24.0at%Pt(S〜0,S>0,S〜0.6,S〜0.8)インバ-合金のマルテンサイト変態に及ぼす静水圧効果を1.5GPaまでの静水圧下での電気抵抗測定ならびに光学顕微鏡観察により調べた。その結果、インバ-合金におけるマルテンサイト変態点の圧力依存性は、非インバ-合金の場合とは異なり、PatelとCohenにより導出された式による計算値と一致しないことが分かった。この不一致の原因はインバ-特性に関連する自発体積磁歪(ω_s)によることを推論し、PatelーCohenの式を基本にしているが自発体積磁歪を考慮した新しい変態点の圧力依存性を決める式を導出した。導出した式の妥当性を評価するために、FeーNiおよびFeーPt(S〜0.6,S〜0.8)合金のこの式に含まれる未測定な物理量、ω_sならびにマルテンサイト変態時の体積変化を静水圧下での磁化測定および低温x線回折により求め、既知な物理量(体積弾性率、Gibbsの自由エネルギ-)とともに導出した式に代入し、変態点の静水圧依存性を計算した。その結果、これら合金の計算値は実験値と良い一致を示した。このことから、自発体積磁歪による影響の推論ならびに提唱した式の妥当性が定量的に確認された。また、光学顕微鏡観察の結果、静水圧下で生成したFeーNi合金のマルテンサイトの組織は生成温度に関わらず熱誘起マルテンサイトのそれと同じであった。この結果は、以前に報告したFeーNiーCの合金についての結果と同じであった。
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