研究課題/領域番号 |
02452244
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
金属材料
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
布村 成具 東京工業大学, 精密工学研究所, 教授 (60016764)
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研究分担者 |
小野 雅司 東京工業大学, 精密工学研究所, 助手 (10211145)
熊井 真次 東京工業大学, 精密工学研究所, 助手 (00178055)
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研究期間 (年度) |
1990 – 1991
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キーワード | 疲労試験 / SーN曲線 / 微小試片 / 押し込み疲労試験 / 核融合炉 / Size effect |
研究概要 |
疲労特性は構造材料として基本的な性質であるが、核融合炉炉壁材料のような長期間の安全性の要求される場合には特に重要である。金属では降伏点以下の低い応力でも繰り返し負荷を受けると破断に至ることが知られている。しかし炉壁材のような高濃度の照射を受けた材料の疲労特性は余り調べられていない。これは試験可能な試料が得難いためである。一般に疲労は他の材料試験に比べて大きな試験片を必要とする。しかし、核融合炉炉壁候補材では、試験照射スペ-スや放射能汚染のため微小なTEMデスク寸法の試片での試験が要請されている。 この研究では核融合炉炉壁材開発プロジェクトに一貫として、2つの微小試片疲労試験法を開発した。軸応力疲労において寸法効果は無いが曲けや捻りでは寸法効果が著しいことが知られている。TEMデスク寸法試験片の引張一引張型軸応力疲労試験用グリプシステムを開発した。特に設定時の軸ずれを防ぐ特殊な治具を製作した。この微小引張一引張疲労試験法によって304と316Lステンレス鋼のSーN曲線を求めた。微小試片による疲労試験結果は試験片表面を同じ粗さに仕上げられた標準寸法試片による引張ー引張試験結果とよく一致し、寸法効果はこの微小試片の範囲まで無い事が明かとなった。熱処理によって結晶粒寸法を変えて試験した結果も、標準寸法試片での挙動とよく一致した。本法の欠点は操作性で、ホットラボ作業の適性が案じられる。 疲労特性を押し込み負荷に求める手法が開発された。試片の表面の超硬鋼球あるいはセラミック球に繰返し押込み負荷を与え、SーN曲線を求めた。この手法の利点は操作が単純であることである。この微小試片に適用できる押込み法で得られた4種の材料のSーN曲線は標準寸法の回転曲げ疲労試験で得られた曲線と比較的良い一致を示した。
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