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1990 年度 実績報告書

合金の組織形成とその安定性に対する組織分岐理論の応用

研究課題

研究課題/領域番号 02452245
研究機関名古屋工業大学

研究代表者

宮崎 亨  名古屋工業大学, 工学部, 教授 (70024213)

研究分担者 守屋 健  名古屋工業大学, 工学部, 助教授 (40029525)
小山 敏幸  名古屋工業大学, 工学部, 助手 (80225599)
小坂井 孝生  名古屋工業大学共同研究センター, 助教授 (80110253)
土井 稔  名古屋工業大学, 工学部, 助教授 (60135308)
キーワード粒子間弾性相互作用 / 界面エネルギ- / 分岐理論 / オストワルド成長 / 粒子サイズ分布 / 弾性拘束 / 組織安定性
研究概要

合金、セラミックスおよび混晶半導体等の固体内の組織形成において、弾性的効果によって特異な現象が生じることがあり、特に組織安定性に関する分岐現象はその典型的事例として現在注目を集めている。我々は最近、析出粒子間の弾性相互作用を考慮した組織分岐理論(Bifurcation Theory)に基づく粗大化挙動の予測から、時効組織の粗大化の遅滞、停止あるいは逆に微細化という従来の常識を打ち破る現象をNiーAl,CuーCo合金等で見い出した。これは高温に長時間保持しても過時効軟化しない合金の存在を意味している。本研究は材料学上重要なこの現象をNi基、Fe基等多くの合金で調査し、組織分岐現象の出現条件を実験と理論から明らかにし、この新現象に学問的体系を与え、さらに応用として過時効軟化しない高性能耐熱合金の開発を目的とするものである。
現時点で得られている結果は以下のようである。これまで時効後期における析出物の分裂現象はNi基合金以外では見い出されていなかったが、今回Fe基合金(FeーAlーCo)において初めてこの分裂現象が観察された。これより析出粒子の分裂は、ある特定の合金にのみ生じる特別な現象ではなく、弾性的に拘束されている系ならば一般的に生じ得る現象であることが示唆された。また粒子粗大化過程において、弾性拘束の弱いFeーAlーGe合金では、通常の時間の1/3乗則に従い粒子は成長するが、弾性拘束の比較的強いFeーAlーV合金では時効後期において各粒子サイズが均一化し、かつ粗大化速度が減少することが実験的に見い出され、Fe基合金においても過時効軟化しない合金開発の可能性が示された。さらに組織分岐理論(Bifurcation theory)に基づきFe基合金の粗大化挙動の解析を行い、粒子粗大化の遅滞の必然性を明らかにした。また析出粒子の空間的な組織安定性を知るため、粒子の空間分布状態を表す新しいパラメ-タを導入し、種々のNi基合金の組織を分類した。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] 宮崎 亨: "弾性場における合金の相分解の実験" 京大基礎物理学研究所研究会「パタ-ン形成、運動およびその統計」. ( 1991)

  • [文献書誌] 宮崎 亨: "An Estimation of the Free Energy of the Microstructure in Aged Alloys" Materials Science and Engineering. (1991)

  • [文献書誌] 土井 稔: "A New Parameter for Describing the Structure Bifurcation in Two Phase Alloys Containing Coherent Particles" Jounal of Materials Science.(1991)

  • [文献書誌] 竹内 章: "非線形拡散方程式に基づく正則固溶体の相分解シミュレ-ション" 日本金属学会誌. 54. 1172-1182 (1990)

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公開日: 1993-08-11   更新日: 2016-04-21  

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