研究概要 |
本年度購入したフ-リエ変換赤外分光光度計を用いて,各種酸化物および炭化物の放射赤外線スペクトルの測定を行った。酸化物については,MgO,SiO_2,Al_2O_3の測定を行ったが,全体的にはMgOの分光放射率が最も高い。しかし,長波長領域においては、SiO_2やAl_2O_3の方が分光放射率が高くなることが明らかになった。炭化物については,SiCの測定を行ったが,面心立方晶のβーSiCの方が最密六方晶のαーSiCより分光放射率が高いことや,粉体のβーSiCとウイスカ-のβーSiCとでは、粉体のβーSiCの方が分光放射率が高いことなどが明らかになった。これによって、遠赤外線放射材料としては,適当な物質を選択することによって、非常に効率の良い発熱体を作り得るということが,明らかにされた。 今後の方針としては,さらに広範囲な物質の放射赤外線スペクトルの測定を行って、効率の良い遠赤外線放射材料を探し出すことと、それが材料の複合化によって放射赤外線スペクトルが何ら変化するかということ、あるいは、放射赤外線の波長領域を目的に応じて変化させること、などの研究を進める予定である。
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