研究課題/領域番号 |
02452249
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研究機関 | 豊橋技術科学大学 |
研究代表者 |
岡根 功 豊橋技術科学大学, 工学部, 教授 (80169127)
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研究分担者 |
福本 昌宏 豊橋技術科学大学, 工学部, 助教授 (80173368)
梅本 実 豊橋技術科学大学, 工作センター, 助教授 (90111921)
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キーワード | 直流プラズマ溶射 / 高周波プラズマ / 窒化物系セラミックス / 反応性プラズマ溶射 / バイアス電圧 |
研究概要 |
非酸化物セラミックス材料皮膜は、一般にPVD法やCVD法によって作製されるが、これらの方法は成膜速度が極めて遅く厚膜作製には不向きである。一方、溶射法は高成膜速度を特徴とするが、非酸化物セラミックスの多くは、分解・昇華や難溶融性のために通常の溶射の適用は難しい。本研究は、これらセラミックスを構成する金属元素と活性なプラズマガスを反応させることで、原材料とは異なる物質を皮膜として堆積させる反応性溶射法実現の可能性を基礎的に調べることを目的としている。 平成4年度は本研究の最終年度にあたり、これまでの研究の総括を行った。反応性溶射法における対象材料には、耐摩耗性に優れたTiNを採り上げた。N2/ArプラズマによりTi粉末を溶射し、堆積皮膜中の窒化物生成量に影響する因子を調べ、その反応メカニズムについても考察した。試料作製にはハイブリッドプラズマ溶射装置を用い、種々の溶射パラメータを変化させた。本年度に得られた研究の結果をまとめ、以下に示す。 1)本実験装置では、圧力13kPa、窒素量10l/minの条件下において100%TiN化した皮膜が得られた。ただし、この皮膜組織は極めて多孔質であり、今後その改善のための適正作製条件の検討が必要である。 2)水中にて回収した溶射粉末はほとんど窒化していないことから、窒化反応は、粉末のプラズマ内飛行中にはほとんど起こらず、基板堆積後に顕著に起こることがわかった。 3)基板温度の上昇に伴い、皮膜中の窒化物生成量も増加したことから、窒化物生成量には基板温度が強く影響すると考えられる。 4)基板-チャンバー間に直流バイアスを印加し窒化物生成への影響を調べたところ、本研究においてはバイアス印加による窒化物生成促進の顕著な効果は認められなかった。
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