研究課題/領域番号 |
02452254
|
研究機関 | 東京農工大学 |
研究代表者 |
鈴木 正治 東京農工大学, 農学部, 教授 (90126293)
|
研究分担者 |
冨永 洋司 東京農工大学, 農学部, 講師 (00015083)
伏谷 賢美 東京農工大学, 農学部, 教授 (80014950)
|
キーワード | 二酸化炭素 / 一酸化炭素 / 赤外線ガス分析計 / ガスクロマトグラム / 透過率 / 気流速度 / フェノ-ル・フルフラ-ル樹脂 / 熱分解 |
研究概要 |
今年度購入した赤外線ガス分析計、ガスクロマトグラムを用いて、二酸化炭素の室内における濃度分布、時間に対する変動を測定した。続いて、二酸化炭素の高い濃度中にセルロ-ス繊維、木質繊維などを置き、一定時間吸着させた。二酸化炭素の透過セルを試作して、ガスクロマトグラム法によって、一定時間の透過量を測定した。 一方、有害ガスは木材では一酸化炭素、メタンなどが高温に加熱されると発生する。木質材料の熱分解でも同様の成分が予想できるので、各種の木質材料と接着剤の熱分解の初段階を熱流束熱量計で調べた。以上の実験によって得た主な結果は次のとおりである。 結果 (1)二酸化炭素の濃度は室内の気流速度、窓の状態に関係し,例えば、97m^3の実験室では、気流が小さく窓閉鎖状態では約30分で1600ppmに達し(通常の暖房)、外気と平衡するのに4時間はかかる。しかし、もしも気流があり、窓が5%も開放されていると1時間程度で外気と平衡する。外気の風速の影響も大きい。 (2)二酸化炭素の吸着性と透過についてはガスクロの高感度の下で測定したが、各種の繊維、紙、木材に対して吸着量は小さかった。しかし、透過量はかなり大きく、例えば、高濃度の二酸化炭素雰囲気中で24時間の透過量は、0.6mmのヒノキ材で70%にも達した。このように高い透過を示すのは室内空気の清浄に有効である。紙類は透過が低く、むしろ多孔質で繊維化したものの方が空気清浄に効果があった。 (3)木質材料の原料である木材、その繊維化、接着剤について有害ガス発生の前駆現象である発熱反応は、200℃付近までフェノ-ル・フルフラ-ル樹脂を用いるとかなり低減できることが明らかとなった。ユリア、メラミンではこの点、やや低減できる程度が小さかった。
|