研究概要 |
1、溜池のサイフォン 香川県は日本でも有数の少雨地帯である。そのため、古来から溜池が多く築造され、その数は約2万ともよばれている。この溜池を水源とするパイプラインシステムにおいて、もし、サイフォン型式の採用が可能であれば、大幅な工事費の節減が生ずる。なぜならば、サイフォン型式にすれば、既設の堤体にほとんど手を加える必要がないためである。しかし、サイフォン管では、管の頂部に空気が停留し、それによって、送水能力が減少し、著しい場合には、全く水が流れないことが生じる。それゆえ、サイフォン型式を用いて、円滑に送水するためには、管の頂部の空気排除の解決が重要な課題となっていた。 従来、サイフォン管における空気排除装置としては、真空ポンプが用いられてきた。しかしながら、真空ポンプを用いた場合にも、通水開始時に給水ポンプを必要とし、また、真空ポンプの維持管理等にも問題があり、改善が望まれていた。 著者らは、サイフォン管において、充水に通常の給水ポンプが必要であることに着目し、給水ポンプのみを使用して、送水開始時の充水、送水時における管内空気を自動的に排除するシステムを開発し、その理論的考察を行った。また、空気の逸出量等、空気排除装置の設計に関与する条件についても、水理的検討を行い、設計の資料を得た。 2、水利統合 溜池地帯において、水利統合を行う場合,最も合理的な水利システムについて,現地調査をもとに検討を行った。
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