研究概要 |
穀類用サイロ,特に籾・麦の共同乾燥調製貯蔵施設に設置されているサイロの利用実態を詳細に調査した結果,次の問題点が明らかとなった。(1)サイロからの穀類排出において,排出用ホッパ-の排出口(サイロ断面中央部)の直上部分の穀類が先ず排出され,サイロ内壁面近くの穀類がそれよりも遅れて排出される現象がある。このことがテンパリング乾燥過程において数回繰り返されると,それが穀類の乾燥ムラの原因となる。(2)サイロ内に堆積された穀類が前項のように張込み層順序に排出されないおもな原因は,サイロに穀類を投入する方法に問題がある。 これらの問題を解決するために,実物大のサイロの1/15の模型(直径47cm,高さ214cm)を作製し,供試穀類として籾を用いて穀類の排出時における流動特性を実験的に解明しつつある。実験条件として,次のような要因を設定した。(1)ホッパ-のコ-ン角度を50゚と70゚の2種類に設定した。(2)籾水分を25〜15%の範囲に変化させた。(3)排出穀粒層の流下特性を確認するため,トレ-サ-粒子(プラスティック粒子)を層状に堆積させた。(4)排出口径の影響を検討するために,30,50,70mmの口径について測定した。(5)流下穀粒層の支持力の変化をみるために,穀粒層上部にウエイトを置き,ロ-ドセルに連結することにより解析を行なった。(6)着色トレ-サ-粒子およびモデルウエイトの沈降挙動をハイスピ-ドカメラ等を用いて撮影した。 以上の実験条件に基づいて,現在一連の実験を継続中である。なお,次年度においてこれらの実験結果の分析・整理を行ない,取りまとめる予定である。
|