研究分担者 |
浜野 徹 鹿児島大学, 歯学部附属病院, 助手 (60172988)
門川 明彦 鹿児島大学, 歯学部, 助手 (00169533)
有川 裕之 鹿児島大学, 歯学部, 助手 (90128405)
蟹江 隆人 鹿児島大学, 歯学部, 助手 (70152791)
藤井 孝一 鹿児島大学, 歯学部, 助教授 (60156817)
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研究概要 |
平成3年度の計画調書投割分担に添って,現在実験を続行している段階である。義歯床用軟性裏装材の硬化特性,硬化物の粘弾性的性質に及ぼす義歯洗淨剤の影響等については,既に実験を完了し,その内,義歯洗淨剤の影響については日本補綴歯科学会誌に現在投稿中である。また,硬化特性については,平成4年5月に開催される日本歯科理工学会で発表する予定である。これからの実験後,新たに得られた知見としてアクリル系材料では、材料練和時に巻込まれ空気が気泡となり,硬化後も時間の経過にともなって気泡の成長がみられ,24時間後には硬化物中のかなりの体積をしめるようになり,硬化物の粘弾性的性質や表面性状を悪くすることが判明し た。現在では,この気泡の内容物の分析,さらに気泡とベ-ス材料のガラス転移温度(Tg)との関係を熱分析装置(DSC)ならびに振動リ-ド型粘弾性測定装置(主要設備)を用いて測定している。 義歯床用軟性裏装材は,比較的長期にわたって口腔粘膜と義歯間に介在させ使用される。したがって,数日間で劣化し使用不能になる材料は,たとえ操作性がよくても好ましくない。できるだけ長期にわたって,硬化物の表面性状,粘弾性的性質,義歯床への接着力等の変化がみられないか,みられても小さい材料が好ましいと言えよう。また,軟性裏装材には,咬合圧を広い面積で受け口腔内組織に加わる単位面積あたりの力を軽減しようとする効果(緩圧効果)も期待されている。したがって,上記の物性の変化が小さいことに加えて,口腔粘膜の粘弾性的性質に近い性質をもつ材料を選択することも重要な要因となる。このため,現在では,口腔粘膜の弾性率測定に関する実験も行っている。
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