研究課題/領域番号 |
02452266
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研究機関 | 奥羽大学 |
研究代表者 |
野口 八九重 奥羽大学, 歯学部・歯科理工学講座, 教授 (80083434)
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研究分担者 |
越中 優 奥羽大学, 歯学部・歯科理工学講演, 助教授 (10094939)
増原 英一 奥羽大学, 歯学部・歯科理工学講演, 客員教授 (00013772)
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キーワード | ジルコニウム / 合金 / 鋳造 / 物性 / 埋没材 |
研究概要 |
今年度は、前年度購入したア-ク溶融差圧鋳造機で純ZrおよびZrーNb合金の鋳造を行い、それらの鋳巣と物性を調べるとともに、Zrの鋳造に適するように鋳造機の改造を行った。また、Zrと反応しにくいマグネシア系埋没材を試作した。 [純ZrおよびZr合金の鋳巣と物性] 純ZrおよびZr合金を鋳造し、その鋳巣および引張強さ、伸び、ビッカ-スかたさなどの諸物性を調べ、Tiと比較した。ZrはTiに比べ鋳巣が発生しやすい傾向にあった。しかしその鋳巣は、鋳型およびインゴットを大きくすることによってTiと同程度まで減少させ得ることが判明した。純Zrの物性は、含有酸素量やインゴットの大きさによって影響されるが、酸素含有量が多いZrでも、その引張強さ、かたさはTiと同程度であり、伸びは6割程度に留まることが分かった。Zrー1%Nb合金の引張強さおよび伸びは、純Zrに比べ約2割程大きく、Zrの物性改善の点でNbが有効であることが確認できた。 [鋳造機の改造] 上記の物性試験の結果、大きい鋳型を用いると鋳造体内の鋳巣が減少することが明らかになったので、通常より約15mm程長い鋳型を装着できるように改造した。 [Zr用埋没材の試作] ZrはTiよりも高温活性が高く、通常のTi用埋没材では、鋳造体の表面に厚い酸化層が形成される。この欠点を解決するために、マグネシアとあルミナを骨材とし、練和液に酢酸マグネシウム溶液を用いた埋没材を試作した。この埋没材は焼成するとZrと反応しにくい鋳型となり、しかも焼成時にスピネルを生成し、膨脹する特徴がある。この埋没材を使用したところ、酸化層の薄い、鋳肌の良好なZr鋳造体が得られることが判明した。
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