1.EGFをin vivo条件下ラット静脈内にトレ-サ-量あるいは過剰量投与後、血中濃度・各臓器中濃度推移を解析し、全身クリアランスおよび各臓器への取り込みクリアランスを算出した。その結果、トレ-サ-量投与時においては、体内からのクリアランスの大部分(80%)を肝臓ての受容体介在性エンドサイト-シスが担うのに対して、受容体介在性エンドサイト-シスが飽和する過剰量投与時においては、腎臓における糸球体濾過およびそれに引き続いておこる分解によって全身クリアランスを説明できることが明らかとなった。 2.遊離肝細胞系および肝潅流系を用いてEGFの動態を速度論的に解することにより、EGFの肝挙動(表面レセプタ-結合、内在化過程)を総合的に表記するモデルを構築することを試みた。その結果、レウェプタ-からの解離速度定数(koff)、レセプタ-の密度(Rs)および内在化速度定数(kint)などのパラメ-タ-は、両系でほぼcomparableな値が得られた。これに対し、レセプタ-との結合速度定数(kon)は、遊離肝細系で得られた値が潅流系のそれに比べて約10倍であった。この理由として、組織architechtureが保たれている潅流系に存在する、細胞間液ス-スの非攪拌水層中のEGFの拡散速度が、細胞表面への結合過程の律速となっている可能性を考えている。 3.1と同様の手法によってHGFの体内動態を検討したところ、やは肝、腎、肺、副腎などによく取り込まれることが明らかとなった。
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