研究課題/領域番号 |
02452268
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研究機関 | 東日本学園大学 |
研究代表者 |
藤間 貞彦 東日本学園大学, 薬学部, 教授 (30001043)
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研究分担者 |
藤本 征一郎 北海道大学, 医学部, 教授 (60001898)
吉村 昭毅 東日本学園大学, 薬学部, 助手 (60220737)
馬原 礼二郎 東日本学園大学, 薬学部, 助手 (30192347)
黒沢 隆夫 東日本学園大学, 薬学部, 講師 (50103198)
池川 繁男 東日本学園大学, 薬学部, 助教授 (90111301)
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キーワード | 胎児性胆汁酸 / 体内動態 / 先天代謝異常 / 抱合型胆汁酸 / ガスクロマトグラフィ-質量分析 / 高速液体クロマトグラフィ- |
研究概要 |
先に申請者らは胎児ー新生児期の体液中から多量の1βーおよび6αー水酸化胆汁酸を見出し、胎生期における胆汁酸組成は成人の場合と大きく異なり、特有の胎児性胎汁酸が存在することを明らかにした。 本年度は、これらの胆汁酸および胆汁酸代謝異常成分の標品を化学合成したのち、GCーMSおよびHPLCによる微量分析法の開発を行い、胎児性胆汁酸の体内動態の変動について解明することを目的とした。 1.<胎児性胆汁酸および胆汁酸代謝異常成分の合成>___ー先に発見された1βー水酸化胆汁酸の他に2ー,6ーおよび19ー水酸化胆汁酸をコ-ル酸、ケノデオキシコ-ル酸、デオキシコ-ル酸、リトコ-ル酸を原料として標品の合成を行ない、NMR等の測定により立体構造を明らかにしたのち、マススペクトルを測定した。 2.<GCーMSによる胎児ー新生児期における胎児性胆汁酸の体内動態の解析>___ー羊水、妊娠尿、新生児尿および胆汁中の発育に伴う胆汁酸組成の変動について検討したところ、羊水中では1βー水酸化胆汁酸が妊娠35週頃より急激に増量し、出生後は尿中には総胆汁酸量の50%に達するが、徐々に減少して3才児では殆ど検出されず成人の域に達することが明らかになった。 3.<抱合型胎児性胆汁酸のHPLCによる一斉微量分析法の開発>___ー胎便中にはタウリンまたは硫酸抱合型胆汁酸が存在し、成人の場合のグリシン抱合型主体とは異なることを見出したので、これら抱合型胆汁酸をPHPーSephadexーLH20カラムにより分画した後、化学発光検出法を用いるHPLCにより微量定量法を確立した。本法を用いて妊婦尿中胆汁酸の抱合型式について検討したところ、胆汁酸常成分はグリシン抱合型が主体であるのに反し、1βー水酸化胎汁酸はタウリン抱合型のみが検出され、胎児肝において生成されたものが胎盤を通して妊婦尿に排泄されたものと結論された。
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