研究課題/領域番号 |
02452269
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
看護学
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研究機関 | 愛媛県立医療技術短期大学 |
研究代表者 |
池田 澄子 愛媛県立医療技術短期大学, 専攻科, 助教授 (00202888)
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研究分担者 |
野島 一雄 愛媛県立医療技術短期大学, 臨床検査学科, 助手 (50189396)
青木 光子 愛媛県立医療技術短期大学, 第二看護学科, 助手 (30212377)
乗松 貞子 愛媛県立医療技術短期大学, 第二看護学科, 助手 (80208404)
野本 百合子 愛媛県立医療技術短期大学, 第一看護学科, 助手 (60208402)
鈴木 ルリ子 愛媛県医療技術短期大学, 第一看護学科, 講師 (60206555)
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研究期間 (年度) |
1990 – 1992
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キーワード | バイオメカニックス / 動作分析 / 運搬 / 作業姿勢 / 手 / 重心 / 把持力 / Gripping Power |
研究概要 |
1同じ高さのベットからストレッチャーへの「シーツを用いて行う患者移動」時のシーツの握り方は、K総合病院荏護婦135名の調査では順手26名(19.3%)、逆手86名(63.7%)、使い分ける19名(14.1%)であった。 選択の理由は、握り方に関係なく`力が入りやい'、`握りやすい'、`はづれにくい'などであった。 2動作のVTR撮影ービデオ解析システム(VA-60AB新大阪商会)による動作分析・筋電図・手指の把持力・足底にかかる重心動揺の各測定値が同時測定できる動作解析システムを確立した。 3動作は同じ高さのベットからストレッチャーへの「シーツを用いて4人で行う患者移動」における順手・逆手によるシーツの握り方について、練熟荏護婦(N=12)、未熟練看護学生(N=12)を被験者に患者・看護者の安全・安楽について比較検討を行った。(1)所要時間など動作の構造を明らかにした。(2)順手・逆手の有意性:(1)側方からのステックピクチャー・変位、後部からの肩関節角度などから手首・肘の上下変動は順手が逆手より大きく不安定であることがわかった。(2)筋の活動[熟練看護婦(N=10)]では、上腕二頭筋、上腕三頭筋、腕橈骨筋、三角筋、僧帽筋、最長筋の筋電図積分値は被験者間で大きな差異があったが、各動作間での有意差は見られなかった。一端に2.5Kg×3の重錘を滑車で取付けたシーツを肘関節を90゚とし、順手・逆手で3分間保持(健常な学生3名)したとき、順手の周波数分布は低い成分に移行が見られ、筋疲労が大きいことがわかった。(3)動作時の把持力(示指、中指、環指、小指)やその面積から算出した仕事量の平均[練熟看護婦(N=10)]では、順引>順押>逆引>逆押で、順手が大きかった。(4)重心動揺は、足底を並行に位置した動作[熟練看護婦(N=4)]では、X(横)方向の最大値および変動幅の平均は順引>逆引であった。また、Y(縦)軸方向の最大値は、逆引>順引であった。重量を大きくした場合は、Y(縦)軸方向の変動は大きくなったが、X(横)方向の変動は日常の握り手の方が小さかった。(5)模擬患者は、移動時[熟練看護婦(N=12)]に逆手の方が:`ゆれ'や`身体の傾き'がなく安楽と答えている。以上のことから、現段階では逆手握りの方が安全・安楽の面で有意であると考えられた。 今後は、例数を重ねるとともに、重負荷による結果の分析などを行い、さらに検討を加えたい。
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