研究課題/領域番号 |
02452271
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
増崎 克 金沢大学, 理学部, 教授 (10110602)
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研究分担者 |
安藤 利得 金沢大学, 理学部, 助手 (80212679)
鎌田 啓一 金沢大学, 理学部, 助教授 (90143875)
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キーワード | 大強度相対論的電子ビ-ム / 強いラングミュア乱流 / 分光測定 |
研究概要 |
強い電子ビ-ムを非磁化プラズマ中に入射するとビ-ム・プラズマ不安定性により大振幅の静電波が励起されプラズマは乱流状態になる。本研究は、大強度電子ビ-ム・プラズマ系ではどのような乱流状態が実現されているかを調べるための最初のステップとして、乱流電場の大きさを分光的に測定する手法を確立することを主たる目的として行われた。成果は次のようにまとめられる。1.BarangerとMozerのプラズマ・サテライト法及びシュタルク・シフトの測定のため、現有のジャ-レル・アッシュ0.5mのモノクロメ-タ-の8チャンネルのポリクロメ-タ-への改造を完成した。各チャンネルの分解能は0.3A^^°で、カバ-する波長範囲は最小3.2A^^°である。2.真空容器中に20mTorrのヘリウム・ガスを充填し、レ-ル銃によりカ-ボン・プラズマを生成し、その中の大強度相対論的電子ビ-ム(1.5MeV、27kA、30ns)を入射し、Hel447.2nm及び492.2nm線の近傍にそれぞれ禁制線447.0nm及び492.0nmが現れることよりプラズマが乱流状態になっていることを確認した。3.Hel 501.5nm及び667.8nm線のシュタルク・シフトの測定より、110〜125kV/cmもの強さの電場もプラズマ中に存在することが分かった。4.分光測定の結果は、強い乱流シミュレ-ションで示されているような、プラズマ中には密度が薄く振動電場の強い領域であるキャビティが幾つも生成消滅しながら存在するという描像に矛盾しない。5.電子ビ-ムが終わった後でも乱流状態が約1μsの間続くことが分かった。このことは最近提唱された、乱流はキャビティ群とバックグランドの弱い波群とからなっているとする乱流2成分説で説明できそうである。6.レ-ザ-誘起螢光法に用いる色素レ-ザ-励起用の窒素レ-ザ-を製作した。7.直線放電によりヘリウム・プラズマを生成する新しいプラズマ源を製作した。これらを用いる研究を続行している。
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