研究課題/領域番号 |
02452272
|
研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
築島 隆繁 名古屋大学, 工学部, 教授 (20023020)
|
研究分担者 |
佐々木 浩一 名古屋大学, 工学部, 助手 (50235248)
永津 雅章 名古屋大学, 工学部, 助教授 (20155948)
|
キーワード | パワー変調レーザー / 静電イオンサイクロトロン波 / 波動励起効率 / 理論的検討 / ハイブリッド粒子コード / 計算機シミュレーション / 駆動散乱法 / ポンデロモーティブ力 |
研究概要 |
本研究は、当研究室でかねてより提案している新しい高温プラズマ診断法「駆動散乱法」の原理実証を目的としている。駆動散乱法では、外部から、パワー変調されたレーザービームをプラズマに入射することにより静電波動を励起し、励起した波動の分散特性からプラズマ自身の性質を推定する。平成2年度に、波動の励起に用いるTEA CO_2レーザーの整備を行い、平成3年度には、このレーザーを用いて、実験室プラズマ中に静電イオンサイクロトロン波を励起することに成功した。 本研究の最終年度である本年度には、平成3年度の実験で励起された静電波動の振幅と、理論および計算機シミュレーションで得られる波動の振幅との比較・検討を行った。実験で得られた波動の振幅が、従来の理論で得られる波動の振幅と一致するかどうか検討しておくことは、今後駆動散乱法を大型装置に適用する際に用いるレーザー装置の規模を設計する上で極めて重要である。理論解析の結果、パワー変調レーザーにより励起される波動の振幅は、レーザービームのポンデロモーティブ力のポテンシャルエネルギーとプラズマの電子温度との比に比例することが示された。このときの比例定数は一種の波動励起効率を与える。静電イオンサイクロトロン波の場合についての波動励起効率を理論的に求めたところ、実験結果の数分の1程度の値が得られた。実験で得られた波動励起効率が理論的に予測される値より大きかった原因については、プラズマの背景揺動等の影響が考えられるが、詳細な検討は今後の課題に残された。また、実験結果や理論解析との比較のため、2.5次元のハイブリッド粒子コードを用いた計算機シミュレーションも行った。計算機シミュレーションで得られた波動励起効率は、理論解析の結果とはほぼ一致したものの、やはり実験結果より小さな値となった。
|