研究概要 |
平成2年度には,重水素と不純物高各イオン及び電子からなる三成分プラズマのイオン間動径分布関数及びイオン間の相互作用ポテンシャルをHNC方程式とト-マスフェルミ原子模型を用いて決定した。今年度は,その結果をもとにレ-ザ-爆縮プラズマ及び恒星内部のプラズマ中での核融合反率を課価し,核反応率へのプラズマの密度及び温度の効果を明らかにした。具体的には,以下の項目につき作業をおこなった。 (1)低温・高密度プラズマ中の核反応断面積について,温度及び密度を変化させて数値計算をおこない,反応率の温度・密度依存性を明らかにする。 (2)C,Si,Ti等の高ZイオンとD,T, ^3He,Li,等とが混合したレ-ザ-爆縮プラズマの核反応数を評価し,高Zイオンの効果とプラズマパラメ-タ-との関係を明らかにした。また,そのために,高Zイオンを含むDTペレットの爆縮シミュレ-ションをおこなった。 (3)核反応断面積の理論計算結果を実験的に検証するための具体的方法について考案した。 (4)恒星内部及び高密度星のプラズマパラメ-タ-に対する核反応断面積を評価した。 (5)理論研究の成果を論文として投稿したものについてレフェリ-からのコメントをもとに修正をおこない,理論モデルをより明確にした。論文は採択され,出版される予定である。 以上の研究作業の結果は報告書としてまとめられ,冊子として印刷され関係者に配布された。
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