| 研究課題/領域番号 |
02452290
|
|---|
| 研究機関 | 東京大学 |
|---|
研究代表者 |
鈴木 篤之 東京大学, 工学部, 教授 (50011135)
|
|---|
| 研究分担者 |
岡本 毅 東京大学, 工学部, 教務職員 (40114425)
安 俊弘 東京大学, 工学部, 講師 (10201906)
|
|---|
| キーワード | 放射性廃棄物管理 / 地層処分 / 亀裂ネットワ-ク / ニア・フィ-ルド / パ-コレ-ション理論 / 不規則媒体 / 拡散 / ランダム・ウォ-ク・シミュレ-ション |
|---|
| 研究概要 |
(1)立方格子上に発生させたパ-コレ-ション・クラスタにおける拡散現象をExactーEnumeration法による数値シミュレ-ションで調べ、昨年度の2次元における計算結果と同様、ガウス型正常拡散における拡散係数の空間的な変化では説明できず、フラクタル次元、フラクトン次元、異常拡散係数、空間次元を用いた新たな一般化によって定式化できることを示した。(2)ランダムに線分を発生させて生成した2次元ネットワ-クの臨界連結度が3.2付近にあること、また臨界付近ではクラスタの相関距離が線分平均長さに比べて遥かに大きくなることを示した。(3)ガラス・ビ-ズを燒結して作成した媒体はすべての空隙が互いに連結した構造をもち、透水係数は燒結前のガラス・ビ-ズの半径で決定できること、(4)(2)で発生させたランダム線分網を光硬化樹脂に転写しエッチングする方法により不規則媒体を作成した。媒体中にトレ-サを流し分散を観察した結果、臨界連結度付近では分散経路上に存在するデッドエンドや回り道などによって、ピ-クに対して非対称な破過曲線が得られた。(2)で求めた相関距離と実験から得られる分散長がほぼ等しい大きさをもつことを発見した。以上の実験と計算の結果、媒体中に存在する空隙が互いによく連結している場合、空隙の大きさが局所的に異なるものであっても、媒体の平均的な性質を示す分散長は固相を構成する粒子の平均粒径にほぼ等しくなること、一方、空隙同士の連結が悪くデッドエンドなどが無視できない場合には、分散長はお互い連結している空隙で構成されるクラスタの平均的なサイズに等しくなることがわかった。この知見により、昨年度や(1)に於て仮に設定した格子の単位長さが分散長を基にして決定されることがわかり、パ-コレ-ション・モデルの実用性が高まった。以上の結果は日本原子力学会、米国機会学会等に於て発表した。また、米国地球物理学協会誌に投稿準備中である。
|
