研究課題/領域番号 |
02452290
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
鈴木 篤之 東京大学, 工学部, 教授 (50011135)
|
研究分担者 |
岡本 毅 東京大学, 工学部, 教務職員 (40114425)
安 俊弘 東京大学, 工学部, 講師 (10201906)
|
キーワード | 放射性廃棄物管理 / 地層処分 / 亀裂ネットワーク / パーコレーション理論 / 不規則媒体 / モンテカルロ法 / 分散 |
研究概要 |
平成2年度におけるパーコレーション・モデルを用いた異常拡散の計算機シミュレーションとグリーン関数の導出、平成3年度における燒結ガラス粒子を用いた電気伝導度と透水係数の関係を求める実験や流れが存在するランダム線分媒体でのトレーサー分散の実験の結果をもとに、3箇年計画最終年度である平成4年度においては、モンテカルロ法による数値シミュレーションを実施すると共に理論的考察を行い本計画の成果を取り纒めた。具体的には、実際の地層中の亀裂ネットワークから得られる統計情報を元にそれと等価な輸送特性を持つパーコレーション・モデルを求めるために必要な条件を明らかにした。まず、亀裂数密度、方向性、長さ分布などの統計情報から計算機上にネットワークを発生させる。これは、統計上元の亀裂網と同じ性質を持つ。計算機上で発生させたネットワークの相関長は平成3年度の実験及び本年度行ったモンテカルロ法による分散の数値実験の結果から、媒体の分散長に等しいことがわかっている。また、相関長は計算機上で仮想的に亀裂数密度を大きくした場合ある長さに収束することが観察された。これらの結果から、ある亀裂網が与えられたときに、その統計的性質にしたがって仮想的に亀裂数密度を大きくして得られる相関長を格子の単位長さとし、同じ相関長を持つ規則パーコレーション格子を発生させると、そのパーコレーション格子は元の亀裂網と同じ輸送特性を持つことが示せた。これにより、複雑な亀裂網の輸送現象解析は数学的に取り扱いやすいパーコレーション格子で行うことが出来、今後の応用に大きく寄与するものと予想される。以上の成果を米国地球物理学会1993年秋の大会において発表した。
|