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1991 年度 実績報告書

環境被曝線量の変動要因弁別のための宇宙線線量モニタリング法の確立に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 02452293
研究機関名古屋大学

研究代表者

中島 敬行  名古屋大学, 工学部, 助教授 (40023113)

研究分担者 鄭 台洙  名古屋大学, 工学部, 技官 (60109296)
飯田 孝夫  名古屋大学, 工学部, 助手 (50089843)
下 道国  名古屋大学, 工学部, 助教授 (90023209)
キーワード海面レベルの宇宙線 / 宇宙線線量 / 宇宙線光子成分 / プラスチックシンチレ-ション検出器 / NaI(Tl)検出器 / モニタリング / 低気圧 / 逆転層
研究概要

平成3年度は環境光子成分と重なるほゞ3MeV以下のエネルギ-領域の宇宙線による波高分布を正確に評価するために必要なゲ-ト用プラスチックシンチレ-ション検出器を製作した。製作には既に経験を持つ中島が下、飯田、鄭の協力を得て行なった。環境光子成分との弁別を検討するため中島,鄭は宮城県女川原子力発電所サイトでも宇宙線の測定を行なった。ゲ-ト用検出器を球型NaI(Tl)又は球型プラスチック検出器の真上に配置し、環境光子と重なる宇宙線による分布を正確に評価することができた。両検出器を屋外に設置して両検出器が検出する海面レベルの宇宙線線束を連続的に観測した結果次の知見を得た。(1)プラスチック検出器による線束密度(α宇宙線線量)は夏期にほゞ10%低く冬期にほゞ6%高い、これは日本の緯度で予期される変化を示した。(2)NaI検出器による宇宙線線束は殆んど変化がみられない。(3)両検出器の宇宙線成分に対する感度の差より、宇宙線光子成分は夏期に高く冬期に低いという変動が示唆された。(4)低気圧の通過に伴なって宇宙線光子成分は4%程度短期間に増加した。(3)(4)の結果は本研究で得られた新しい知見である。連続測定では学生の協力を得たので謝金を使用した。
下、飯田は環境放射線成分のうち地表面より散逸し大気中に分布し地上の観測点に寄与する ^<222>Rnおよび ^<222>Rn娘核種の変動について検討し、 ^<222>Rn娘核種は大気中に逆転層を形成したとき最大でも15%程度の線量の増加をもたらすことを明らかにした。宇宙線光子成分の変動(3)(4)について中島は変動の原因を説明するモデルを検討しザルツブルグ大学で開催されたNREーV(9月22ー28日)で発表し、大気中での宇宙線のシミュレ-ションを研究しているオブライエン氏(アリゾナ大学教授,アメリカ)の支持を得た。(3)(4)のモデルの詳細は最終年度の総合報告書で述べる予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Yoshiyuki NAKASHIMA and Shin'Ichi FUJISAKA: "On the Annual Variation of Photons Originated from Secondary Cosmicray Components at Sea Level at Nagoya,Japan" Proceeding of Natural Radiation Environment V, Salzburg University,Sept.22ー28(1991). NREーV. (1992)

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公開日: 1993-03-16   更新日: 2016-04-21  

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