研究課題/領域番号 |
02452294
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
代谷 誠治 京都大学, 原子炉実験所, 助教授 (80027474)
|
研究分担者 |
神田 啓治 京都大学, 原子炉実験所, 助教授 (10027419)
宇根崎 博信 京都大学, 原子炉実験所, 助手 (40213467)
市原 千博 京都大学, 原子炉実験所, 助手 (90027475)
林 正俊 京都大学, 原子炉実験所, 助手 (20027444)
小林 圭二 京都大学, 原子炉実験所, 助手 (30027445)
|
キーワード | 臨界実験 / 核データ / 核計算コード / 減速材対燃料体積比 / 中性子スペクトル / KUCA / ENDF / B-IV / JENDL-3 |
研究概要 |
これまでに京都大学臨界集合体実験装置(KUCA)を用いて行われてきた、炉心の減速材対燃料体積比及び実効的なウラン濃縮度を系統的に変化させた臨界実験の結果、日本原子力研究所で開発された熱中性子炉解析標準コードシステムSRACのENDF/B-IV核データファイルに基づく核データライブラリーを用いると、実効増倍率は炉心の中性子スペクトルが変化しても優に1%以内の精度で再現できることがわかった。しかしながら、高濃縮ウラン体系の方が低濃縮ウラン体系と比べて、むしろ計算値と実験値の一致が悪く、中性子スペクトルの硬さによらずに計算値が若干過大評価となることがわかった。本年度は、JENDL-3核データファイルに基づく核データライブラリーを用いて、これまでと同様の手法で実験解析を行った。その結果、JENDL-3核データライブラリーを用いると、計算値は実験値を過小評価し、過小評価の程度は中性子スペクトルが硬くなるにつれて増大する傾向にあることが判明した。その一方で、ENDF/B-IV核データライブラリーを使用したときに見られた高濃縮ウラン体系と低濃縮ウラン体系における計算値と実験値の不一致の程度は改善され、両体系間での差は認められなくなった。ちなみに、JENDL-3核データライブラリーを使用して、核分裂中性子スペクトルをENDF/B-IV核データライブラリーのものに置き換えると、JENDL-3とENDF/B-IVはほぼ同等の結果を与えることが判明した。本研究により、臨界実験を通じての核データと核計算コードの評価については所期の成果をおさめることができたと考えるが、特に核データの評価については、現在、JENDL-3をバージョンアップする計画が進められていることもあり、今後とも引続き研究して行く必要があるものと考える。
|