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1991 年度 実績報告書

高電気伝導性ポリアセチレンの合成と構造の研究

研究課題

研究課題/領域番号 02453010
研究機関名古屋大学

研究代表者

田仲 二朗  名古屋大学, 理学部, 教授 (70022514)

研究分担者 清水 正昭  名古屋大学, 理学部, 助手 (10154303)
キーワードポリアセチレン / 電導性高分子
研究概要

ポリアセチレンは、ド-ピングを行うことにより、高い電気伝導性を示すようになる。そのメカニズムを明らかにするために、実験的および理論的研究を行った。新しい合成方法で合成し、引伸したポリアセチレンのフィルムについて、ヨウ素,過塩素酸銅などでド-ピング を行った時、高い電気伝導性が出現するのは、2段階でおこることを、明らかにした。すなわち(CH・(clo4)y) でド-パントの濃度yを現わすと、y=0.02〜0.03の辺までは、電荷は入っても、半導体の電子構造を示し、y=0.04をこえて、金属的性質が出現する。アルカリ金属でド-プした時は、このyの値は0.08位である。
この金属的状態になったポリアセチレンのフィルムは、金属的な反射率を示し、光電子スペクトルの実験でも、フエルミ面の近くに状態密度が出現する。反射スペクトルについて、KramersーKronig変換を行って、電気伝導度スペクトルを計算すると、実際に金属的な電子構造を示すようになっていることが、明らかになった。この金属的な状態に対応する分子構造、電子構造を明らかにするために、ド-ピングの過程に対応するド-パントと中性ポリエン,ポリエンラジカルの間でできる電荷 移動型コンプレックスについて、分子軌道法による計算を行って、それらの分子構造と、電子構造を明らかにした。次にこの構造をもとにして、モデル高分子のエネルギ- バンド構造について研究した。その結果、ド-ピングの初期段階でできる荷電ソリトン構造の一次元鎖では、バレンスバンドと、コンダクションバンドの中間に、ミッド ギャップ バンドとよばれる中間のエネルギ-準位ができるが、さらにド-ピングが進んだ時に生ずる“ポルソン"と名付けた構造をもつ鎖において、はじめて一次元金属に近い状態が出現することが明らかにされた。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] K.Kamiya,H.Inokuchi,M.Oku,S.Hasegawa,C.Tanaka,J.Tanaka: "UPS of new thpe polyacetylene" Synthetic Metals. 41. 155-158 (1991)

  • [文献書誌] J.Tanaka,S.Hasegawa,T.Miyamae,M.Shimizu: "Spectral characterization of the electronic structure of new type polyacetyolene" Synthetic Metals. 41. 1199-1204 (1991)

  • [文献書誌] C.Tanaka,J.Tanaka: "Electronic structure of charged soliton and polaron and its pair in doped polyacetylene" Synthetic Metals. 41. 3709-3712 (1991)

  • [文献書誌] C.Tanaka,J.Tanaka: "Energy band structure for metallic polyacetylene" Proceeding of material research society,Fall meeting.

  • [文献書誌] C.Tanaka,J.Tanaka: "Quantum chemical study on conducting polyacetylene 1.Molecular and electronic structure of model compounds of doped polyacetylene" in Prepration.

  • [文献書誌] J.Tanaka,C.Tanaka: "Molecular and electronic structures of metallic polyacetylene Proceeding of Novel Symposia" Oxford University Press, (1992)

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公開日: 1993-03-16   更新日: 2016-04-21  

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