• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1991 年度 実績報告書

質量選別イオン・ディップ分光法の開発とイオンの電子状態の研究

研究課題

研究課題/領域番号 02453015
研究機関東北大学

研究代表者

伊藤 光男  東北大学, 理学部, 教授 (20013469)

研究分担者 藤井 正明  東北大学, 理学部, 助手 (60181319)
キーワード分子イオン / 質量選別 / 解離 / 電子励起状態 / ジフルオロベンゼン
研究概要

本研究は孤立状態の分子イオンの電子、振動状態を研究するための新しい分子分光法を開発し、多原子分子イオンに適用して未知の電子、振動状態を解明しようとするものである。"分子イオンは励起電子状態で解離しやすい"という性質を利用したもので、従来の高感度分光法(蛍光励起分光、多光子イオン化分光)とは全く異なる測定原理に基づく独創的なものである。この新しい分光法(質量選別イオン・ディップ分光法と命名)は分子イオンの電子スペクトルを高感度、高分解能で測定できる極めて有用な分光法であることが示された。
この分光法をベンゼン誘導体イオンに適用し、これらイオンの電子、振動状態を解明するとともに、イオンの解離機構についても詳細な研究を行った。とくにoー、mー、pージフルオロベンゼンカチオンについて重点的に研究を行ない、これらイオンの低エネルギ-電子励起状態のポテンシャルについて極めて興味ある結果を得た。これらのイオンの低エネルギ-電子状態は近接する他の電子状態との振電相互作用の結果、ポテンシャルが大きく変形しており、この変形がイオンの発光特性と密接な関係があることが示された。
本研究の目的としたイオンの新しい分光法の開拓とイオンの電子状態の解明は充分に達成され、将来への発展の重要な足掛りが得られた。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Yuko Tsuciya: "Electronic Spectra of Isolated Cations in Supersonic Jets by MassーSelected IonーDip Spectroscopy.Cations of Benene,pーDifluorobenzene and 1,3,5ーTrifluorobenzene" J.Chem.Phys.90. 6965-6975 (1989)

  • [文献書誌] Mitsuo Ito: "TwoーColour Dip Spectroscopy of JetーCooled Molecules" Int.Rev.phys.Chem.8. 147-169 (1989)

  • [文献書誌] Yuko Tsuchiya: "Electronic Spectra of pーDifluorobenzene Cation by MassーSelected Ion Dip Spectroscopy in a Supersonic Jet" Chem.phys.Lett.168. 173-179 (1990)

  • [文献書誌] Yuko Tsuchiua: "Vibronic Coupling in S_1 of oー and mーDifluorobenzene" Chem.Phys.Lett.183. 107-112 (1991)

  • [文献書誌] Masaaki Fujii: "Electronic Spectra of Fluorobenzene Cations as Studied by MassーSelected Ion Dip Spectroscopy" J.Mol.Struct.249. 55-68 (1991)

  • [文献書誌] Yuko Tsuchiya: "Electronic Spectra of oー,mー,and pーDifluorobenzene Cations:Striking Similarity in Vibronic Coupling between the Neutral Molecule and its Cation" J.Phys.Chem.96. 99-104 (1992)

URL: 

公開日: 1993-03-16   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi