研究概要 |
ニトロアルケンとイソシアノ酢酸エチルとの反応により各種ピロ-ルが合成できる。この様にして得られたピロ-ルは,ピロ-ルのαー位が無置換であり,容易に各種ポルフィリンへ変換できた。ニトロアルケンとして,各移置換基を有したものが利用できることが分った。例えば,各移アルキル基,アリ-ル基,トリフルオロメチル基,糖数が置換したピロ-ル及びポルフィリンの合成に成功した。さらに電子吸引性基のシアノ基,エステル基,ニトロ基の置換したポルフィリンの合成にも成功した。得られたポルフィリンを金属錯体へ変換した。これら一連のポルフィリン類の吸収スペクトル,酸化遷元電位を測定した。最大吸収波長は400〜800nmまでに広がる各種ポルフィリン数が得られた。また酸化遷元電位も1.2Vの広い範囲で系統的に変動させることができた。これらの基礎的研究成果を基に,ポルフィリンのπー電子系に直接共役系が影響を及ぼせる系として、新規縞環型ポルフィリン類の合成を検討した。共役二重結合で連結したポルフィリンの多量体の合成も検討した。これらポルフィリンは現在やっと合成できたところでまだ物性の測定はおこっていない。今後,これらポルフィリン数の電気伝導度の測定や生物活性,DNAとの親和性など検討する予定である。
|