研究課題/領域番号 |
02453031
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
高野 穆一郎 東京大学, 教養学部, 助教授 (90012426)
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研究分担者 |
綿秡 邦彦 東京大学, 教養学部, 助教授 (70012333)
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キーワード | 紫外レ-ザ- / パルスNdーYAGレ-ザ- / ラマン分光法 / 硫黄化合物 / 中間酸化状態 / 火山 / 熱水 / 温泉 |
研究概要 |
パルス紫外レ-ザ-ラマン分光法は、測定装置そのものがまだ一般化しておらず、各研究者が手探りで装置の改良を行いながら目的物質のスペクトルを得ようと努力を重ねている分野であるのが現状である。紫外光を扱うため、ラマン光を集光するレンズ系の選択、サンプルの位置決め法、強力な紫外光による試料の分解を防ぐ方法の検討などの他、未知の諸問題が山積している。本年度は全面的に測定装置の構築に力を注いだ結果、全装置の組み合げが整い、ようやく試料の測定が可能となった。 具体的には、分光器は当初予定していたJEOL JRS 400Dの検出器性能、集光光学系、デ-タ処理能力において不適切であることが判明したので、新らたにSpex 1404 0.85mダブルモノクロメ-タを使用し、2次光を検出することとした。これに判い、光源がパルス光であることから検出器には非分散方法式のプリンストンインスツルメント社製SMAマルチチャンネル測光システムと検出器冷却装置を組み合わせ、シグナルはパソコン処理方式を取ることとした。また必要に応じて可視、近赤外光によるラマン情報の収集も行えるようフォトマル検出器の使用も可能である。現在この装置を使って実試料を測定しながら細部の改良を行っている。測定に供する試料としては、ワッケンロ-ダ-液、火口湖水、種々の温泉水が国内はじめ海外からも集められており、次年度にはこれらについてラマンデ-タを蓄積しその解析を進める用意が整った。特に代表者がニュ-ジ-ランドでサンプリングして得た試料の予備的研究で、国内の熱水系では未見の硫黄化合物の存在が示唆されており、新しい目の役割を担った紫外レ-ザ-ラマン分光装置によって中間酸化状態の硫黄の地球化学の発展に大きな飛躍がもたらされるものと我々研究グル-プは期待しているところである。
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