研究課題/領域番号 |
02453037
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
無機・錯塩・放射化学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
齋藤 太郎 東京大学, 理学部, 教授 (90011006)
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研究分担者 |
小林 昭子 東京大学, 理学部, 助手 (50011705)
井本 英夫 東京大学, 理学部, 講師 (20168529)
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研究期間 (年度) |
1990 – 1991
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キーワード | クラスタ- / モリブデン / トリメチルホスフィン / トリエチルホスフィン / 硫化物 / DVXα / クラスタ-縮合 / デジェナイト |
研究概要 |
当研究は高次金属クラスタ-骨格を有する伝導性化合物を低温における溶液反応によって合成することを目的とした。このためにクラスタ-化合物中のμーS_2配位子からの硫黄原子引き抜きによる縮合反応の開発を研究した。 ジスルフィド配位子を有する化合物(NH_4)_2[Mo_3S(S_2)_6]1とNa_2SO_3を水溶液中で反応すると、黒色の生成物を得た。これを300゚Cで5時間加熱した試料は半導体であった。亜硫酸イオンによって、1のμーS_2配位子から硫黄原子引き抜き反応がおこり、モリブデン3核クラスタ-単位が重合したことが示唆される。硫酸銅共存下に同様な反応をおこなうと、半導性を示す非晶質黒色生成物が生成する。700゚Cに加熱すると黒色単結晶が成長する。digeniteと呼ばれるCu_9S_5であることが明らかになった。 1とトリアルキルホスフィンの反応により、[Mo_3S_5(PMe_3)_6]2,[Mo_4S_6(SH)_2(PMe_3)_6]3、[Mo_6S_<12>(PEt_3)_6]4を合成した。2は3個のモリブデン原子から成る正三角形クラスタ-骨格を持ち、超伝導シェブレル相中に存在する一連のMo_<3n>S_<3n+2>クラスタ-のn=1に対応する錯体の初めての例である。DVーXα法分子軌道計算により、Mo_3骨格が歪まない理由を明らかにした。3は4個のモリブテン原子が菱形をなした平面状Raft構造である。菱形を構成するモリブデンーモリブデン結合距離は等しく、モリブデン10電子系に対応する構造であることが、同じくDVーXα法計算により明らかにされた。4は6個のモリブデン原子がRaft状に結合した平面骨格を有する。モリブデンスルフィドクラスタ-において2個以上の三角面が水平方向に融合した構造を持つものとして最初の例である。
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