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1991 年度 実績報告書

複核錯体の立体構造制御とクロモトロピズム

研究課題

研究課題/領域番号 02453038
研究機関お茶の水女子大学

研究代表者

福田 豊  お茶の水女子大学, 理学部, 教授 (30021950)

研究分担者 益田 祐一  お茶の水女子大学, 理学部, 助教授 (20181654)
キーワードクロモトロピズム / ソルバトクロミズム / サ-モクロミズム / 立体構造制御 / 混合配位子錯体 / 複核錯体
研究概要

前年度にひき続いて複核錯体形成能のある配位子の合成とその金属錯体の合成を試みた。得られた配位子は、テトラケトン(ジケトンを背中合わせに二個結合させた構造をもつ)類で、これらは架橋四座配位子となりうる。新化合物として得られたニッケルおよび銅(II)混合配位子錯体は、約25種類である。各種ジケトン(dike)あるいはテトラケトン(teke)とNーアルキルジアミン(diam)やトリアミン(triam)あるいはテトロアミン(tetam)を相手配位子として含む混合配位子錯体で、一般式は次のようである。複核錯体として得られたものは架橋配位子としてテトラケトンの他に炭酸イオン(CO_3^<2ー>)、シュウサンイオン(C_2O_4^<2ー>)擬ハロゲン化物イオン(X)_2^<2ー>を含むものも得られた。特に、炭酸架橋錯体は、空気中のCO_2を取り込んで錯体を形成する点で今後興味が持たれる:単核錯体ーM(dike)(diam)X,M(dike)(triam)X,M(dike)(tetam)X;複核錯体ーM_2(teke)(diam)_2X_2,M_2(teke)(triam)_2X_2,M_2(CO_3)(dike)_2(diam)_2,M_2(C_2O_4)(dike)_2(diam)_2,M_2(X)_2(dike)_2(diam)_2;where M=Ni(II),or Cu(II),X=B(Ph)_4,ClO_4,NO_3,halide or pseudohalide anions
これらの錯体が安定に存在できる要因は、主に立体効果である(立体障害の大きなポリアミンとスマ-トなジケトンあるいはテトラケトンの組み合わせが好都合で、あたかも鍵と鍵穴の関係で安定化されている)。さらに好都合なことは、これら二種類の配位子のつくる配位子場強度がちょうどスピンクロスオ-バ-付近にあることと、その錯体が多数の有機溶媒に可溶である。これらの錯体の構造は、用いたジケトンの電子的効果、Nーアルキルーポリアミンの立体効果、あるいは対イオンの配位能に依存して変化することが明かとなった。また、得られた錯体は、興味あるクロモトロピズムを示すが、これは用いた溶媒のドナ-性、アクセプタ-性による。結晶状態での磁気的相互作用の結果から弱い反強磁性相互作用がみられ、これは用いた架橋配位子に依存することが明かとなった。

  • 研究成果

    (7件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (7件)

  • [文献書誌] N.Shinntani,et al.(Y.Fukuda): "Studies on Mixed Chelates.XIX.5ーCoordinate Nickel(II) Complexes with N,N,N′,N″,N″ーPentamethyl die thylenetriamine and βーDiketonates" Bull.Chem.Soc.Jpn.64. 252-258 (1991)

  • [文献書誌] W.Linert,et al.(Y.Fukuda): "Spectioscopic and Electrochemical Studies on Dinuclear Mixed Ni(II)ーChelates" Monatsh.Chem.121. 765-780 (1991)

  • [文献書誌] H.Kambayashi,et al.(Masuda,Fukuda): "New Observation of 5ーCoordinate Dinuclear Complexes with 1,1,2,2ーTetraacetylethanate and NーAlkylated Diethylenetriamine" Chem.Lett.1991. 303-306 (1991)

  • [文献書誌] Y.Fukuda,et al.: "Sobatochromismi of Nickel(II) Mixed Chelates Containing Acetylacetonate and some Cyclic Diamines" Synth.React.Inorg.Met.ーorg.Chem.21. 313-330 (1991)

  • [文献書誌] S.T.Adamy,et al.(Y.Masuda): "High Pressure NMR Study of the Carbonー13 Relaxation in 2ー Ethylhexyl Benzoate and 2ーEthylhexyl Cyclohexane carboxylate" J.Chem.Phys.94. 3568-3576 (1991)

  • [文献書誌] S.Ozeki,et al.(Y.Masuda): "IH NMR Spectroscopy of Water Adosorbed on Synthetic Chrisotile Asbestos:Microtubes with Acidic and Basic Surfaces" J.Phys.Chem.95. 6309-6315 (1991)

  • [文献書誌] 水町 邦彦,福田 豊: "プログラム学習「錯体化学」" 講談社サイエンティフィク, 152 (1991)

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公開日: 1993-03-16   更新日: 2016-04-21  

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