研究概要 |
1。私たちは、Mo_3MS_4(M=Fe,Co,Ni,Cu,Sn,Hg)骨格およびMo_<3ーn>W_nS_4(n=0ー3)骨格をもつキュバン型および不完全キュバン型硫黄架橋混合金属クラスタ-を合成し、X線構造解析によりその構造を明らかにしてきた。このたび、新たにアンチモンとモリブデン([H_2O)_9S_4Mo_3SbS_4Mo_3(H_2O)_9]^<8+>)およびインジウムとモリブデン([Mo_3InS_4ー(pts)_2(H_2O)_<10>]^<3+>)をふくむ新規化合物を合成し、X線構造解析に成功した。また、三種の金属(モリブデン、タングステン、およびニッケル)を含む新しいタイプの硫黄架橋混合金属キュバン型クラスタ-錯体の合成・X線構造解析を行うことが出来た。さらに、これら新規化合物の物性測定(電気化学的測定も含め)も行い興味ある結果を得ることが出来た。 2。硫黄架橋不完全キュバン型錯体、[M_3S_4(H_2O)_9]^<4+>(M=Mo,W)、の高収率簡易合成法を見いだし、今後のこの領域の研究を容易にする事が出来たした。 3。昨年度から始めている硫黄架橋および酸素架橋さくたい、[Mo_3S_4(H_2O)_9]^<4+>および[Mo_3OS_4(H_2O)_9]^<4+>の分子軌道計算(DVーXα法)にスレイタ-のtransition methodを取り入れさらに計算の精度を高めた。 なお、上記の結果はすべて、平成3年10月岡山大学で開催された第41回錯体化学討論会において発表した。講演要旨集1A01,1AP25,1B16,2A08,2A16,2AP30,3AP09参照。
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